『幽霊城』

020(写真集)サイモン・マースデン『幽霊城』(河出書房新社
モノクロの赤外線写真は粒子が荒く、文章も建築に関する話は全くなし。いわば“格調高い心霊スポット巡り”、思いっきりオカルトなんだけど、妙に説得力あるんだよなこれが。幽閉、拷問、虐殺、忌わしい歴史に彩られ、何百年も同じ場所にたたずむ城館に、今なお住んでる人がいたりして。木と紙で家を作る日本とは異なる、ヨーロッパの石の家ならではの物語をひしひしと感じた。