2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ブラック・ダリア」

デ・パルマの過去作品へのオマージュとも云えるシーンが色々あったね。階段とか、マッチとか。そうかベティとエリザベスは同一人物か(そんなところでつまずくなって)。 (映画館にて鑑賞)

『配達あかずきん』

057(小説)大崎梢『配達あかずきん』(東京創元社) そもそもの謎がちょっと無理矢理では?と気になる短篇もあったけど、書店の仕事がいろいろ分かるのが楽しかった。謎解きとサスペンス両方味わえる表題作が秀逸。装幀も無駄(?)に凝っていて、いいなこ…

『顔のない敵』

056(小説)石持浅海『顔のない敵』(カッパ・ノベルス) 今後、地雷のニュースに接する度、この小説のことを思い出すことだろう。ミステリとしても読みごたえあり。罪人を法律で罰しないのは正直抵抗あるけど、その辺りも含めて考えさせられる小説だった。…

『ボトルネック』

055(小説)米澤穂信『ボトルネック』(新潮社) キーワードは「想像して」。自分は最低だ、最低の状況にあると思っているそこのあなた、想像力を働かせて視点を変えてごらん──そう云ってくれてる小説だと思いました。私はラストを(以下ネタバレ、反転して…

『魂萌え!』

054(小説)桐野夏生『魂萌え!』(毎日新聞社) 萌え!というほど激しいお話ではなかったのが意外。若い世代には新鮮な題材かもしれないけれど、中年の私にとっては身近であるせいか「甘いなあ」と感じらた部分も。とはいえ500ページ近い分量を一気に読めち…

『独白するユニバーサル横メルカトル』

053(小説)平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社) コンクリートの殺風景な部屋、血しぶきに染まる壁、足下に散乱する血まみれの肉片、でも窓越しにほおを撫でていった一陣の風は、森林の奥、静かに水をたたえる湖を渡ってきた風のように…

『九杯目には早すぎる』

052(小説)蒼井上鷹『九杯目には早すぎる』(フタバ ノベルス) たくらみはすごくいい、でも説明に文章を多く費やし過ぎている感じ。個人的には4篇のショートショートが俄然気に入った。著者にはぜひ、ミニミステリをライフワークにしていただきたい(稼ぎ…

「夜のピクニック」

ただ歩くだけ。それがちゃんと小説になっちゃうんだからすごいなあ、原作を読んだ時にはそう感じたものだ。 映画もいろいろと工夫されていた。ちゃちいお芝居調にしてみたり、アニメーションを入れてみたり。成功していたかどうかはよく分からないけれど(笑…

『川の名前』

051(小説)川端裕人『川の名前』(ハヤカワ文庫) 小学五年生の夏休みを一緒になって満喫して、楽しかったー! 少年たちの冒険はたしかに無謀で要領が悪く、だけど真剣で清々しいったら。キャラもそれぞれが魅力的でよかったなあ。一見何の変哲もない「川の…