2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧
山下敦弘監督の作品を観るのは「リンダ リンダ リンダ」に次いで二本目だが、この監督、空気というかその場の匂いを伝えるのがとても上手いなあ。「リンダ〜」の時は、部室の隅っこのホコリっぽい匂いや学園祭の浮かれた雰囲気がとてもリアルに伝わってきた…
018(写真集) 萩原雅紀『ダム』(メディアファクトリー) 「ダムのデザインはふたつと同じものがない」ことを初めて知った。初心者でもとっつきやすいようコンパクトにまとめてあるせいか、遠くから「わあ、すごいなあ」とただ眺めて終わっちゃった印象。も…
017(小説) 貴志祐介『黒い家』(角川ホラー文庫) 映画は、宣伝からしてネタバレだったのね。あれまあ。 デビュー作とは思えない完成度の高さ。サスペンスもあり、社会性もあり。いくら元保険会社社員でも、読者にきちんと伝わる書き方ができるってのは並…
森田芳光監督は、原作物よりオリジナルの作品を撮ったほうがいいんじゃないかなあ。「乳」はもちろん(笑)、「ボーリング」も原作に無い映画オリジナルだったとは。それならいっそ全部オリジナルのほうが、ねえ。アイディア豊富なのは買うけど、一昔前なら…
016(小説) 朝倉かすみ『ほかに誰がいる』(幻冬舎文庫) 題名と装丁に惹かれて手に取った一冊。最初は「なんじゃこりゃ」と思ったけど、坂道を転がる雪玉のごとく、物語がどんどん膨れて歪になって加速するさまはなかなかのもの。
胃の中身が逆流するかと思ったよ(笑)。全編、素人が撮影したホームビデオという設定なので、画面が揺れまくって臨場感満点、おかげでしたたか酔いました。落としても壊れない、バッテリーは切れない、なんて素晴らしいビデオカメラだこと(笑)。 上映中は…
015(小説) 歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』(講談社ノベルス) すごいなあ、ネタの大盤振る舞い。ラストも理詰めで解ける問題だともっと良かった。お、続編が「メフィスト」で連載中なんだね。
014(小説) 有栖川有栖『孤島パズル』(創元推理文庫) 犯人の残した些細な手がかりから真相が導き出されるところは『月光ゲーム』とよく似ていた。あっと驚く派手さはないが、最後まで読者をひきつけて離さない。さすがだ。