2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『チルドレン』

021(小説)伊坂幸太郎『チルドレン』(講談社) 犬も歩けば伏線に当たる、こういう話は大好きっす。一篇一篇に「あっ、そうだったのか!」って趣向が必ずあったのも良かったな。伊坂作品って、犯罪を軽々しくスタイリッシュに描いてるような気がして乗れな…

『幽霊城』

020(写真集)サイモン・マースデン『幽霊城』(河出書房新社) モノクロの赤外線写真は粒子が荒く、文章も建築に関する話は全くなし。いわば“格調高い心霊スポット巡り”、思いっきりオカルトなんだけど、妙に説得力あるんだよなこれが。幽閉、拷問、虐殺、…

『昔の子どもたち』

019(絵本)安野光雅『昔の子どもたち』(日本放送出版協会) 安野さんの子ども時代が絵と文で細かく綴られているのだが、手書きの文章に味があって(漢字が旧字体)、「あんのくんの絵日記に先生がコメントを付けている」という設定になっているのが面白か…

『七つの黒い夢』

018(小説)『七つの黒い夢』(新潮文庫) どうしてこういう設定を思いつくんだろうの乙一さん、視覚と聴覚に訴えかけてくる恩田さんのホラー、意外にミステリしていた桜坂さんの作品が特に印象に残った。

『I.TOON CAFE』

017『I.TOON CAFE 伊藤有壱アニメーションの世界』(プチグラパブリッシング) ニャッキの作者は、ポン・デ・ライオンから平井堅の「キミはともだち」MVまで、いろーんな仕事を手掛けている才能豊かな方だったんだなあ。付録のDVDには、ニャッキ以外のありと…

『向日葵の咲かない夏』

016(小説)道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社) うーむ、惜しいっ。二転三転する展開には説得力があったし、読み返してみるとたしかにフェアに書いてあるし(このプロローグとエピローグはいいなあ)。でも、本筋の部分で「あっち立てればこっちが立…

『交換殺人には向かない夜』

015(小説)東川篤哉『交換殺人には向かない夜』(カッパノベルス) ぶわっはっは、だまされたー。独特のユーモアもドタバタも、だいぶ熟れてきて読みやすかった。伏線の使い方が上手いし、犯人の心情と行動にも充分納得させられたし(なるほどあれだけ重な…

『夢十夜』

014(画文集)夏目漱石/金井田英津子『夢十夜』(パロル舎) 明治の文豪を讃えるのも今さらだが、文章完璧、無駄なフレーズが一つもない(感動)。なので挿絵なんかなくてもいいわけだが、文庫にしたら二十数ページの物語をゆったり一冊の本として愉しむのも…

『模倣犯』

013(小説)宮部みゆき『模倣犯(上・下)』(小学館) 登場人物たちの叫びがとにかく辛くてしんどくて、でも読むのを止められなくて。相変わらず宮部さんは少年や爺さんをカッコよく描くなあ。賢そうに見えて実は稚拙で杜撰な犯人、劇場型の犯罪‥読みながら…