2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ブラザー・サン シスター・ムーン』

008 恩田陸『ブラザー・サン シスター・ムーン』(河出書房新社) ドラマティックでもなんでもない、どってことない学生生活。でもそれが、かけがえないものだったりするんだよね。第一部は恩田さんの自叙伝みたい。

刑事コロンボ「白鳥の歌」

「白鳥の歌」(原題SWAN SONG)という題名は、なにか裏の意味があるのかな?それともラストの「これほどの歌が歌える人に悪い人はいませんよ」につながるのかな。中身の入ったまま捨てた魔法瓶が決め手になるのかと思いきや、終わりのほうでちらっと出てきた…

「マンマ・ミーア!」

たまたまメリル・ストリープのインタビューを見たら、すっごく楽しそうだったんで、映画館に行ってきました。今年最初の一本。 おばさん踊る!おばさん跳ねる!おばさん歌う!(笑)ストーリーはどってことないけど、ABBAのヒット曲を浴びるように聞いて育っ…

『告白』

007 湊かなえ『告白』(双葉社) うわー容赦ない、でも好きだなあ。人に薦めるとしたら、ちょっと相手を選ぶかもしれないけど。事件とそのあらましは、最初の一章(小説推理新人賞を受賞した「聖職者」)で語られてしまうのだが、犯人の心理やその後の顛末を…

『食堂かたつむり』

006 小川糸『食堂かたつむり』(ポプラ社) 前半はふわふわ夢物語。料理に命かけるのも、ショックで声が出なくなるのも、吉本ばななさんの小説に同様の設定があって、あちらのほうがずっと良かったなあと思いながら読んでいたけど、後半、アムールでのパーテ…

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

005 西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(理論社) たまたま今日、朝日新聞の「売れてる本」というコラムに、この本の記事が出ていた。本が売れてるのはとっても嬉しいんだけど、 家族の絆の強さや仕事へのかかわり方などは、いまの若い人と…

刑事コロンボ「野望の果て」

「変装して仕事中ですか?」あっはっは。どんな小さな手がかりも見逃さず、徹底的に検証する。現場に残された痕跡の齟齬を、ひとつ、またひとつと挙げて犯人を心理的に追い詰め、余計な工作をするように仕向ける。いやあ、最後のシーンのコロンボのカッコ良…

『聖女の救済』

004 東野圭吾『聖女の救済』(文藝春秋) ハウダニットの魅力。手がかりがすべて読者に与えられるわけではないが、気になった場面はちゃんと真相解明につながっていた。あるシーンの本来の意味が最後に分かる趣向が秀逸。 しかし、福山雅治まで登場させると…

『ガリレオの苦悩』

003 東野圭吾『ガリレオの苦悩』(文藝春秋) ドラマ化以前に書かれた最初の一篇はともかく、なんというのだろう、従来の路線をきちんと踏襲しつつも、ドラマ化で得られた新たなファンの期待にも応えるという離れ業を、いとも容易くやってのけてしまう東野さ…

刑事コロンボ「権力の墓穴」

一番の功労者は、家中みがきあげたメイドか?(笑)次長が隣人に手を貸した理由が物語中盤にようやく分かる構成が上手いなあ。指紋のないことが手がかりに、枕の下のナイトガウン、イミテーションダイヤが残されていたことが物語が進んで別な意味を持ってく…

『儚い羊たちの祝宴』

002 米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(新潮社) これ好きっ。こういう黒いの、大好き。帯の惹句「収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!」は、正直勇み足だと思った(笑)けど、もともと文章が達者な人なので、古風な設定がよく合うね。おっ、…

『Rの刻印』

001 ふじしろやまと『Rの刻印』(講談社) 今年最初の読了本がこれって‥orz。解答送らなきゃ解決編がもらえないっていうので、必死こいて解いたんですけど、四月以降になれば公式サイト上でも読めるらしいです。なあんだ。でもまあ、謎解きは堪能しました。…

刑事コロンボ「指環の爪あと」

殺人シーンのスローモーションが、なかなか凝った絵で綺麗だったが、犯人のメガネにその後の犯行計画を映し出すところは、ちとやり過ぎの感あり。計画殺人ではないせいか、ストーリーにひねりもあまりなかったが、最後の「ジャガイモ」は可笑しかった。

刑事コロンボ「歌声の消えた海」

この回は見ごたえあり。船上という非日常的舞台で、鑑識はいない、クルーもいまひとつ捜査に協力的でないなどの悪条件の中、(以下、ネタばらします)羽一枚でぴたりと犯人の目星をつけるコロンボの冴えがカッコいいったら。犯人が、「手袋が一枚足りない」…

刑事コロンボ「構想の死角」

できれば毎週見て、感想を書こうと思います。 さて、初回。かのスピルバーグが監督と聞いて期待してたんだけど、うーん、どのあたりがスピルバーグらしかったのかよく分からないや(笑)。トリックはなかなか凝っていたし、途中思わぬジャマが入るあたりもよ…

あけましておめでとうございます

拙い一言感想ブログですが、今年もよろしくお願いいたします。 遅ればせながら、2008年のまとめをば(本サイトの日記に書いたのとほぼ同じですが)。 [book](数字は順位ではなく、単なる読んだ順です)[1]「平成の夢十夜」(「ダ・ヴィンチ」でそういう…