2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『骸の爪』

066(小説)道尾秀介 『骸の爪』(幻冬舎) 解決編にわくわく胸踊る本格ミステリ、久しぶりに読んだかも。スリット一本分ずらすと全く違う絵が表れる、縞々トリック絵のようだった。人物が活き活きと描かれているだけに、終盤の落差が悲しい余韻となって胸に…

『猫田一金五郎の冒険』

065(漫画)とり・みき『猫田一金五郎の冒険』(講談社) 脱力〜でも面白い〜。何なのこのコストパフォーマンスの悪い、紙の分厚い本は(おい)と最初思ったんだけど、なるほど終わりの歌留多に合わせたのね。その歌留多、四十七文字揃ってないし(おまけに…

『風が強く吹いている』

064(小説)三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮社) ほぼ素人集団がいきなり箱根駅伝を目指すというトンデモ設定なのだが、言葉を尽くして書かれているのでその興奮がつぶさに伝わってくる。本当に才能を持った人って美しいよね、惚れ惚れしちゃうの分…

『まんねん貧乏』

063(漫画)得能史子『まんねん貧乏』(ポプラ社) 絵といい内容といい、まるで自分が描いてるみたい〜、と親近感がわいてつい買ってしまった。ちょっと余白多すぎ?(笑)、でもいいや、楽しかったから。暮らしのノウハウをもう少し読みたかったな。

『パスルゲーム☆はいすくーる(14)』

062(漫画)野間美由紀『パスルゲーム☆はいすくーる(14)』(白泉社文庫) 例えば犯人の予想はついても、さらにその先、動機にうならされたり、心理の綾に感心させられたり。人間を描くってこういうことだよね、脱帽。

『STAR SALAD 星の玉子さま2』

061(絵本)『STAR SALAD 星の玉子さま2』森博嗣(文藝春秋) 「1」に比べると衝撃度は低め、より広い読者層を想定したのかな。絵は完璧、線も色も上手すぎる。この本と出会えてホント良かった、でもこういう絵を描きたくても描けない自分が‥嬉しさ90%、悔…

『空中庭園』

060(小説)角田光代『空中庭園』(文春文庫) ほわほわを予想してたら全然違って あけすけで、でも冷たくはない、ぽこぽこした感じのお話だった(なんじゃそりゃ)。所詮は他人、なのに家族、ひとつ屋根の下に暮らしていたって、気持ちなんかちっとも伝わら…

「デスノート the last name」

観終わった後、原作のどの部分がそのままでどの部分が変えられたのか、自分で確かめたくなったのでコミックスも読んだ。 なるほどー、月とLとの対決一本に絞って物語を構成し直したのね。そうそう、こういう物語を私は観たかったのだ! 大犯罪で捜査が国際…

『三四郎はそれから門を出た』

059(エッセイ)三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』(ポプラ社) 「エッセイがとても面白い」と常々評判を聞いていて、それプラス題名と装幀に惹かれて手に取った一冊。なるほど、何度も声に出してガハハと笑っちゃったよ。平等な視点と、物事に対する…

『背の眼』

058(小説)道尾秀介『背の眼』(幻冬舎) 著者と私、怖さのツボが似てるんじゃないかな、ホラーな部分の文章のリズムが絶妙で、とても楽しめた。読む前は地味に思えたタイトルが、今では怖いのなんのって。文章にただようそこはかとないユーモア、伏線を丁…

「ぼくんち」

原作が女目線(サイバラさん)で描いた物語だとしたら、映画は男目線(阪本監督)で撮った作品。別物だけど別物じゃない、これはこれでいいのかなあ。子役かわいかったし。鉄じいや末吉おっさんまんまだったし。 でも、観月ありさは原作みたいに、もっともっ…