2008-01-01から1年間の記事一覧

「K-20 怪人二十面相・伝」

痛快冒険活劇!面白かったー。 で、歯車の上でのチャンバラは?お姫様の横に犬がいない?‥え、「カリオストロ」の実写化じゃなかったのか(笑)。 (映画館にて鑑賞 今年は58本の映画感想を書きました。週1本ペース、自分としてはがむばった) 未見の方のた…

『本からはじまる物語』

063 アンソロジー『本からはじまる物語』(メディアパル) おお、これなかなか良かったです。さらっと読めて、ほんわり暖かくて、本への愛に満ちているけど押し付けがましくなくて。空を飛んだり、側に猫がいたり、メッセージを残したり、同じようなモチーフ…

『予告探偵 西郷家の謎』

062 太田忠司『予告探偵 西郷家の謎』(C★NOVELS) ぶわっはっは、トンデモ・ミステリとの噂は耳にしていたが、そういうことだったかー(喜)。裏表紙に「難攻不落のトリック」という惹句が踊っているが、殺人事件のトリックより物語全体の仕掛けのほうが派…

『毎日かあさん(5)黒潮家族編』

061 西原理恵子『毎日かあさん(5)黒潮家族編』(毎日新聞社) そっか、亡くなった後も年ってとるんだー。 ガンちゃんとヒヨちゃんがどんどん立派に成長してて、すっごく頼もしい。サイバラ偉い。世界のいろんなところを旅して育った二人はどんな大人になる…

『ラットマン』

060 道尾秀介『ラットマン』(光文社) うわあ、そういうことだったのか。思い遣り、思い込み、意図せぬ偶然が生み出す誤解。他人の心はこうも分からないものなのだなあ。過去と現在の事件が不思議に重なり合う様も見事だが、著者が自らの体験を元に書いたの…

『カラスの親指』

059 道尾秀介『カラスの親指』(講談社) さすが「フクセン王子」、題名もばっちり決まっている。 登場人物の顔がイマイチ見えてこないのは、わざとそう書いてるのかな。あの父親には別の人物を想定してたんだけど、全然違った(^^;;)。読み終わってみると…

「闇の子供たち」

ド直球。奇をてらった演出は何もなく、むごさも汚さもすべてがまっすぐにこちらに向かってくる。それなのに終始目が離せない。映画の力ってすごいなあ。結末は事前に知ってたんだけど、そうかだから彼にとっては天国だったのかと。鏡に映った自分を見て、彼…

「ガリレオ」 原作VSドラマ

今頃になってようやくドラマを見終わりました。原作を改変した回もかなりあったので、どちらが良かったか、「原作VSドラマ」をやってみようと思います。ものすごーく個人的な印象で適当に書いてますので、ファンの方、気を悪くされたらごめんなさいね。ちな…

「ブタがいた教室」

「いただきます」「ごちそうさま」をちゃんと云おうと思いました。 テンポ良く、音楽もうるさすぎず(やたらBGMで説明しようとする映画、最近多いからなあ)、一本の映画としてなかなかよく出来ていたと思う。子どもたちの自然な演技を引き出した手腕もすご…

『奇談蒐集家』

058 太田忠司『奇談蒐集家』(東京創元社) 奇談と思われた話に現実的解釈を施しストンと落とす。という話の流れが分かってしまうと、そもそも登場人物が少ないので、話の途中で「コイツが怪しい」と着地点が見えてしまうのがちと残念。訪問者によって、ラス…

「ハッピーフライト」

綾瀬はるか扮する新人CAの成長物語、かと思ったらだいぶ違って「あれ?」。でも、飛行場で働く様々な人々の仕事を垣間見れて、すごく面白かった。飛行機の映像もめちゃめちゃ迫力あったし(どこにカメラを仕込んだんだ!というような画も)。ただ、飛行機の…

「TOKYO!」

冒頭の「中央新幹線」に、んなもんねえよ!と苦笑‥するも、えっ、将来リニアモーターカーが通ったら、それがそう呼ばれる予定なのか。知らんかったなあ。 ‥という関係ない話は、さておき。 「インテリア・デザイン」藤谷文子、初めて見た女優さんだったけど…

『千年樹』

057 荻原浩『千年樹』(集英社) ひとつところで千年生きるというのは、こういうことなのか。樹を見る目が変わりました。 幾多の時代を越え、そこで繰り広げられる人間模様をだまって見続ける大樹の存在が、優しさや癒しではなく畏怖、さらには凶々しさすら…

『ザ・万歩計』

056 万城目学『ザ・万歩計』(産業編集センター) マキメさんは人生楽しそうだなあ。でもって、読んでるこっちまで楽しくしてくれるからすごいよなあ。これからも時を超え海を越え、さらなる自由奔放な小説を期待したい。 「篤史 My Love」は、自分の五本の…

『ホルモー六景』

055 万城目学『ホルモー六景』(角川書店) これはすごい。読み終わった今、感動に打ち震えている(大袈裟ではなく本当に)。『鴨川ホルモー』であまり詳しく描かれなかった脇役たちのサイドストーリーなんだろうと読み始めたら、時を超え(だから京都なのか…

「トウキョウソナタ」

なんかいろいろびっくりでした。今なおドビュッシーの「月の光」が頭の中で鳴り続けてます。家族ってなんなんだろう。 香川照之が上手いのはもちろんのこと、肝の座ったお母さん役の小泉今日子がすごく良かった。先日の「グーグーだって猫である」といい、今…

『毎週かあさん』

054 西原理恵子『毎週かあさん』(小学館) パチもん?裏モノローグ? 何をおっしゃる、サイバラに裏も表もありませんぜ、まるっと全部がサイバラなのだ。それにしても、この四年間に出した本のなんと多いこと、仕事のし過ぎに気をつけてね。 裏表紙が元気な…

『名前探しの放課後』

053 辻村深月『名前探しの放課後(上・下)』(講談社) 自意識過剰だったりプライドが高かったり、微妙に感情移入しにくい登場人物に加えて、物語が「どうしてこれだけのことを云うのに、こんなに多くのページを使わなきゃならないんだろう?」ってくらい遅…

「ブーリン家の姉妹」

イギリス版「大奥」‥とはちょっと違うか(笑)、でも、国は違えどやってたことは変わらないんだなあと思いました。男子をもうけなければお家断絶、女は子どもを産む道具。唯一違うのは、キリスト教が重婚を認めないがゆえに、妾の立場は男子を産んでも弱いっ…

「落下の王国」

砂漠ーっ。泳ぐゾウーっ。世界遺産ーっ。即興創作物語の映像が、無駄(褒めてます)に豪華。CGに頼らず良くぞここまで。ただまあ前半は、映像美に圧倒されながら一瞬眠くなったりもした(笑)のだが、徐々に現実物語が解ってくるにつれて引き込まれていった…

「ICHI」

予告を観たとき、市の着物はボロボロなのに顔はツルッツルで汚れが全くないってのが、えらく不自然に思えてしまって。でも「ピンポン」の曽利監督なら観てみるかと思い直し、劇場に足を運んできました。 「シャーッ!」って、それじゃペコのまんまだよ窪塚ク…

『東京バンドワゴン』

051 小路幸也『東京バンドワゴン』(集英社) 家族揃っての食事のシーンが、好きー。 (文庫)

『鼓笛隊の襲来』

050 三崎亜記『鼓笛隊の襲来』(光文社) 表題作の一行目を読んだときは、すっごいわくわくしたんだけどなあ。わりとどの話も「いい話」や「無難な話」に落ち着いてしまった感あり。もっとも、奇想も数を重ねると読み手が慣れてきちゃうからね。ぶっ飛んだ設…

「ジャージの二人」

ぼぉーーーーーーーーーっ。でも、いい映画でした。 トマト、浅間山、カマドウマ、畑の真ん中で片手を挙げて。セリフでなんでもかんでも説明しないで観客にゆだねる、その姿勢が心地よかったです。役者さんも適材適所、みなそれぞれに味があって良かった。え…

『バスジャック』

049 三崎亜記『バスジャック』(集英社) いい意味で裏切られた。この著者の作品は長篇より断然短篇が好きだな、私は(この本は短篇集です)。きらきらあり、しっとりあり、ドタバタあり、びっくりあり。不可思議な設定は非日常なのに、日常にしっかり根付い…

『チーム・バチスタの栄光』

048 海堂尊『チーム・バチスタの栄光(上・下)』(宝島社文庫) これは面白い。医学用語は頻出するものの、キャラとユーモアで読ませる読ませる。ミステリとしても(書き方で想像はつくが)、意外な犯人と動機に「おおっ」となった(映画を先に観たんだけど…

「容疑者Xの献身」二回目

再び映画館に足を運んできました。リバイバルでなくロードショー時に二回同じ映画を観るのって、ええと、学生時代に二度あるけど、それ以来かな。先日映画を観た後に三年ぶりに原作を再読。その上での感想を改めて。 これ、脚本がすごく上手いです。かなり大…

『初音怪談』

046 松嶋初音・木原浩勝『初音怪談 私と小さなおじさんのこと』(角川書店) 実話なんだそうで。前半はかなり怖かったんだけど、どんどん怪異が日常に侵蝕してきて、なんとも云えない気持ちに。特に中盤の「お兄ちゃん」。自分も左右の顔が違うんで、すごく…

「容疑者Xの献身」

原作既読(当時の感想はこちら)。といっても、読んで三年経ってるんで、ほどよく忘れてました。ドラマは見ていません。 よくぞ、テレビシリーズの映画化という枠にとらわれずに、原作どおりに作ってくれたなあと、嬉しくなっちゃいました。堤真一の石神がい…

「宮廷画家ゴヤは見た」

たしかに「家政婦は見た!」みたいな(笑)冴えない邦題ですけど、ほんとにそういう話なんだから仕方ない。宮廷画家の目から見た、激動の時代のスペインとそれに翻弄され数奇な運命をたどる人々の物語。下手なカタカナの邦題よりはまだましだと思ったぞ。 観…