2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『完全恋愛』

022 牧薩次『完全恋愛』(マガジンハウス) すげえっ! 昭和の歴史に寄り添った大河小説であり、紛うことなき本格ミステリ。 戦中・戦後間もないころを描いた「おもい」の章なんてほんと、リアリティーありまくり。さすが格が違うわなあ。いろいろ読者に予想…

「隠された記憶」

「震撼のラストシーン」という宣伝文句や、なにやら禍々しい子どもの描いたような絵に興味を覚えて鑑賞。エンドクレジットが流れ始めた時は、「え、これで終わりなの?」とポカーンとなったけど、音楽を一切排したこういう実験的映像は嫌いじゃない。しかし…

刑事コロンボ「殺人講義」

犯人二人の声は、大塚明夫と山寺宏一でしたか。ほぉ〜、相変わらず豪華だ。 「ツキも実力のうち」ってことなんですな、コロンボさん。今回は、殺害の方法が最後まで分からなかったり、犯人が複数、しかも決定的なボロをなかなか出さなかったり(てっきり、ク…

『君の望む死に方』

021 石持浅海『君の望む死に方』(ノン・ノベル) 自分を殺させたい、でもその相手には警察につかまってほしくない、という、そもそもの設定がどうにも理解しがたく。P251に至ってようやく日向の考えは分かったものの、「殺人という門をくぐり」?そんな門く…

「パッセンジャーズ」

ネタばらしになるので、以下たたみます。 (映画館にて鑑賞)

「ホノカアボーイ」

なるほど、「ビー」ってそういう意味だったのね、と最後に納得。映画ならではのゆったりとした時間の流れ、でもそれがとても心地良かった。年配の隣人たちの中でニコニコ自然に生活するレオ役の岡田将生がかわいいったら。ちょこっと偏屈で、でも時に少女の…

「プレステージ」

時系列をわざとバラバラにした構成・脚本が素晴らしい。19世紀末のイギリスを再現したセットや衣装もとても良かった。正直、二人の男の確執劇というストーリーには、そこまでやるかとウンザリさせられたし、(ネタばらしになるので、伏字で)あくまで現実の…

『ペガサスと一角獣薬局』

020 柄刀一『ペガサスと一角獣薬局』(光文社) 北欧の澄んだ夜空に光る星のごとく、はたまた透明な湖水のごとく。人が亡くなったり傷ついたりする場面も当然出てくるのに、この美しさは、気高さはなんなのだー。幻想的な謎に思いっきり惹きつけられ、スケー…

刑事コロンボ「迷子の兵隊」

ほんのささいなところから殺人の糸口を見つけ、動機面から固めていって、最後はなるほどそこに矛盾があったか。キャラの配置もうまいし、手堅いながらも好篇だったと思う。

『裁判員法廷』

019 芦辺拓『裁判員法廷』(文藝春秋) 最初は、法廷ものなので硬い感じかなと構えて読み始めたのだが、どっこい、これほど読者へのもてなし精神にあふれた本格ミステリはそうはないだろう。「あなた」という人称の使い方が上手いなあ。裁判員制度のことも分…

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

原作は未読(これから読みます)。前作同様、告発文を書いたのは救急外来のメンバーの中の誰なのか?という犯人探しが始まるのかと思いきや、それは「え?そういう真相だったの」というところに落ち着いてしまう。メーカーさんの墜落死が起こるものの、速水…

「7つの贈り物」

いやもう、観終わったら悲しいのなんの、地面にめり込むほど落ち込んでしまいました。いい映画でしたけどね。ウィル・スミス、良かった〜。この方曰く「銃をブッ放したり地球を異星人から救ったりしない、とてつもなく地味なウィル・スミスを非常に魅力的に…

「JUNO ジュノ」

なんだろう、この前向きパワーは。アニメーションまじりのOPに始まり、ポップな音楽、テンポのいいカット割り、なによりジュノがしっかり自分の足で歩いているところがいい。安易なセックスで望まない妊娠をしてしまうのは愚かなことだけど、自分の意思を最…

「サスペリアPART2 紅い深淵」

三十年前に映画館の予告で観たからくり人形がトラウマとなり、ずっとホラー映画を避けるキッカケとなった本作。さあ、mihoroさんはトラウマを克服することが出来たのか?(笑) 殺人シーンは意外と少なくて(これは「サスペリア」でも思いましたが)、ポンコ…

刑事コロンボ「幻の娼婦」

「あなたが黒いドレスを着てたとなると、ややこしくなりますからなあ」わはは、それは「××ドレス」のほうのネタだよ。カバンの中身に気づかれそうで気づかれないあたり、女性の犯人ならではの大胆さも見られて面白かった。しかし、いくら相手が刑事だからと…

「罪とか罰とか」

ぶわっはっはっは。 私のように、1.小劇団系の俳優さんが好きな人、2.伏線フェチな人(物語中盤で、だだだだっと来ますよ) は、かーなーりー楽しめると思います。成海璃子はユデタマゴみたいで可愛かった(ええっ、16歳なのー!すごい度胸いいんだなあ…

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

壮大なおとぎ話。逆さに回る時計に乗って物語に身をゆだねていると、2時間46分はあっという間だった。ベンジャミンを拾って育てる母親に始まり、彼を初めて外に連れ出したピグミー族の人、労働と女を教えた船長、美しいスパイの妻、そして何より、時に離れ時…

「サスペリア」

ホラー解禁!と勇んで「13金」を観た次は、いきなり本丸に突入ですmihoroさん(笑)。初・アルジェント作品。といってもこれ、予告編は何度か公開時に見た気がするぞ。真っ昼間に家のテレビで観たから良かったようなものの、真っ暗な映画館だったら参っちゃ…

「リトル・ミス・サンシャイン」

劇場でチラシを見て、これはぜったい私好みだ観る気満々‥だったのになぜか公開時観逃してしまった一本、ようやくDVDで鑑賞。 家族っていいなあーとしみじみ思える映画。みんながみんな何かしら規格外で、ガタピシしながら、でもちゃんと目的地に進んでいく。…

『秘密(6)』

018 清水玲子『秘密(6)』(ジェッツコミックス) 今回、謎はさほど入り組んでおらず、分かりやすかった。絵の効果も大きかったように思う。岡部さんが要にいるから第九が成り立っているんだなあ。特別編のほうも、今後への伏線になりそうな話で、なかなか…

『流星の絆』

017 東野圭吾『流星の絆』(講談社) ベストセラーでドラマも人気があって、のせいでうっかり読む前にネット上で犯人を知ってしまったのだが(汗)、それでも最後の100ページは手に汗握る展開でとても面白かった。ただ、そこにたどり着くまでが長かったなあ…