2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『スカイ・クロラ』

再読(小説) 森博嗣『スカイ・クロラ』(中央公論新社) 四年ぶりの再読。やはり、空を飛ぶ場面で自分の体も宙に浮いている感覚に。最後のシーンがまるっと記憶から抜け落ちていて、我ながらびっくり。どうやら、自分の中では「なかったこと」にしたかった…

『幻想遊園地』

035(写真集) D・HIRO/芝公園公太郎『幻想遊園地』(メディアボーイ) 云わば遊園地の死骸。なんとカラフルで物悲しく蠱惑的な。ホラーであり、経済の変遷という社会的一面も垣間見える。にぎわっていた頃の写真が一枚でもあったら、もっと廃墟の写真が引…

『クライマーズ・ハイ』

034(小説) 横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文春文庫) 映画は望月彩子が出てこない!びっくり。 未曾有の大事故と組織のしがらみの間で翻弄される主人公。友人の息子との関係でほっと息を抜かせつつ、最後まで一気に読ませる筆力に感服。 署名記事の記者…

『愛読者』

033(小説) 折原一『愛読者』(文春文庫) 高校の同級生に同姓同名、西村香さんがいました(大人しい女性でした)、というのは本編とは全く関係ない別の話。 名前といい著作名といい、西村香=某作家をイメージして読み始めたので、すんごい裏切られた気分…

「崖の上のポニョ」

♪ぽ〜にょぽにょぽにょ‥ ポニョ可愛い!走るシーンが秀逸。宗介の声の子、天才。海が生き物みたいですごかった。次男も、終始乗り出して観てました。 ポニョの両親がどういう存在なのか、映画だけだとちょっと分かりにくかった。山口智子と所ジョージは、も…

「クライマーズ・ハイ」

元ちとせの歌は流れないのか。入り口でもらったチラシが、映画が終わる頃には握り締めすぎてくちゃくちゃになってました。そのぐらい、のめりこむように観ちゃいました。御巣鷹山の話というより、地方新聞社で働く者たちのドラマだったのは、ちと意外でした…

『文学賞メッタ斬り!たいへんよくできました編』

032(その他) 大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!2008年版たいへんよくできました編』(PARCO出版) いやあ、相変わらず数ページに一度は爆笑できるという、こんな本は滅多にありませんぜ。トークショーのゲストが授賞歴のある人だと、雰囲気に余裕があ…

「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

スター・ウォーズの最初の映画が封切られたときはまだ中学生だったので、リアルタイムで観ておらず、そのせいか思い入れもさほどではないんだけど、インディ・ジョーンズは三作ともばっちりロードショー公開時に映画館で観てるんで、もうあの音楽が鳴っただ…

『他人事』

031(小説) 平山夢明『他人事』(集英社) こういう展開になったらイヤだなー、と思うまさにその方向へ行ってしまう物語の容赦のなさ。いつも通りのグロでんでろりん(笑)だが、14編もあるのにどれひとつ似ていない独立した世界なのが凄い。表題作の最後の…

わたし、気になります 『クドリャフカの順番』編

米澤穂信『クドリャフカの順番』は傑作です! 文庫になったのを再読したけど、やっぱりめっちゃ面白い。 (ちなみにこの作品、古典部シリーズ第三作です。前二作『氷菓』『愚者のエンドロール』から順に読むと、楽しさ倍増) で、再度読み終わってやっぱり疑…

「カメレオン」

うっわー、話つまんねぇー。脚本誰よと調べたら、松田優作を念頭に置いて書かれた30年前のホンらしいです。えーそうなのかあ。バイオレンスは全然オッケーなんだけど、イマイチこの浮遊した世界観にはハマれなかった。 でも藤原竜也はめちゃめちゃ良かったよ…

『てのひら怪談』

030(小説) 加門七海・福澤徹三、東雅夫 編『てのひら怪談』(ポプラ文庫) 怪談、なんだけど心底ぞっとした作品は少なかったなあ。心に残ったのは、「歌舞伎」「薫糖」「墓参り」「折り指」「時計」「怪段」「デッドヒート」「あめ玉」。ちょっと笑えるの…

『観用少女(プランツ・ドール)』

028・029(漫画) 川原由美子『観用少女(明珠)』『観用少女(夜香)』(朝日新聞出版) もっとホラーな物語かと思いきや、意外とコミカルで健全。川原由美子の少女絵は美しいなあ、うっとり。大好き。白眉は「メランコリーの花冠」。

「ハッシュ!」

先日観た「ぐるりのこと。」があまりに良かったんで、以前から気になっていた橋口作品を鑑賞。 我々の日常って、云わばワンシーンワンカット。カメラ一台で撮影した切れ目のない映像だ。だけど映画上でそれをやると、だらだらと長く感じたり、逆に微妙な緊張…