2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『“文学少女”と恋する挿話集2』

064 野村美月『“文学少女”と恋する挿話集2』(ファミ通文庫) 「え、あの本編の裏でこんな出来事が!」的な意外性は少なく、驚いたのはサラダ油ぐらいだったが(笑)、反町くん&森ちゃんの掛け合いは楽しかった。イルカ待ちって(笑)。

『“文学少女”と恋する挿話集1』

062 野村美月『“文学少女”と恋する挿話集1』(ファミ通文庫) 裏話あり別人物視点からの話あり、完結した物語の隙間を埋めてさらに膨らませ、うまいなあこの著者は。しょっぱな(3ページ目)の独白からしてもう、胸がいっぱいになってしまったよ(笑)。

『“文学少女”見習いの、初戀。』

063 野村美月『“文学少女”見習いの、初戀。』(ファミ通文庫) 菜乃ちゃん、たくましいーーっ(ほれぼれ)。文学少女見習い(本家からはほど遠いが)vs. 文芸部新部長の、ほのぼのバトルを今しばらく見守ろう。

『“文学少女”と神に臨む作家(上・下)』

061 野村美月『“文学少女”と神に臨む作家(上・下)』(ファミ通文庫) 「作家とは、一人で狭き門をくぐるような孤独な職業だと、わたしは考えます」「読者は、作家を裏切るのよ」「裏切るのは読者だけじゃない。作家も読者を裏切る」 “作家魂”をまざまざと…

本は見た目が何割?

こちらのニュース記事にもなってる、「ジャケ買い」狙いの新表紙。太宰治『人間失格』を小畑健さんのイラストにしたらすごく売れた、ってのが始まりだったのかな。で、今やこんなにいっぱい写真やらイラストやら(笑)。 集英社文庫 角川文庫(あれ、白の表…

『“文学少女”と月花を孕く水妖』

059 野村美月『“文学少女”と月花を孕く水妖』(ファミ通文庫) 避暑地でほっこり番外編かと思いきや、ホラーあり、ミステリな落ちもあり。けっしてブレない姫倉さんがカッコいい。

『“文学少女”と慟哭の巡礼者』

058 野村美月『“文学少女”と慟哭の巡礼者』(ファミ通文庫) このシリーズ、元ネタに思い入れのある人は感じ方も格別なんだろうけど、私はそれほどでもないからなあ。とにかく今回は、みんな痛々しくって、もう‥。人の心を正しく理解するのは難しい、ほんと。…

『“文学少女”と穢名の天使』

057 野村美月『“文学少女”と穢名の天使』(ファミ通文庫) 聴衆を圧倒するトゥーランドットの歌声が、奇跡のような天使の子守唄が、本当に聴こえてくるかのようだった。キーパーソンが一つの高校に集まりすぎとか、大人が病みすぎとかも思ったけど、ま、いっ…

『“文学少女”と繋がれた愚者』

056 野村美月『“文学少女”と繋がれた愚者』(ファミ通文庫) うわわわ、文化祭でお祭り気分かと思ったら、めちゃめちゃハードやんけ。そんな中での遠子先輩、カッコよかった!推理力ならぬ“想像力”も冴えてたし。心葉くんもがんばれ。ところでこれ、リアルタ…

「ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜」

乙一くんの脚本(本名の安達寛高名義)目当てで観に行ってきました。「ホッタラケ」という発想、とても繊細で個人的なストーリー、などなど随所に乙一っぽさが感じられて、満足。背景の美術はティム・バートンっぽい黒さが垣間見えて、そこも好き。綾瀬はる…

『銀河不動産の超越』

055 森博嗣『銀河不動産の超越』(文藝春秋) うーむ、拾った宝くじが一億当たっちゃったとか、道を歩いてたら隕石が降ってきちゃったとか(あくまで例えです)、そういうレベルの現実離れ度で、なんかなーんにもないんだけど、そのなんにもなさが爽快でした…

『くるくるシニカル』

054 玖保キリコ『くるくるシニカル』(白泉社) 『シニカル・ヒステリー・アワー』愛読者だったので、大人になったツネコたち面々と再会できて、うれしいったら(^^)。それにしても、性格全然変わらないのに、ちゃんと結婚してちゃんと子育てもしているツネ…

『天使の歩廊』

053 中村弦『天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語』(新潮社) ファンタジーノベル大賞受賞作。新人とは思えない筆運びのまろやかさ、時代考証の確かさにまず、感服。西洋館と建築家が話の中心にあるところも私好み。ファンタジー部分がほわほわしていて、こ…

刑事コロンボ「奪われた旋律」

音楽が、賞を取るほどの才気あふれたものに全然聞こえない(ま、それはしょうがないか)。そもそも、彼を殺しちゃあなたの過去の栄光も未来も断たれたも同然じゃないですか、犯人さん。さらに、最後はなんなんですあの茶番劇(笑)。あっさり笑顔で退場する…

『バカ世界地図』

052 一刀『バカ世界地図』(技術評論社) バカは国境を越える!(笑) いやあ、こういう国の壁を越えたネットならではの企画、好きなんですよ(セカイのハレ晴レ、とかね)。どこまで本気でどこまでネタなのかは正直微妙だけど、バカが通じるのは平和の証で…

刑事コロンボ「復讐を抱いて眠れ」

パトリック・マクグーハンは渋くてかっこいいし、葬儀屋という職種も変わってて面白いのだが、どうも全体的にベタな印象が拭えず。死体を始末する前にコロンボが乗り込んで来て犯人が焦る、という展開にしたほうが良かったんじゃないかなあ。表彰式の歌も笑…

『"文学少女"と飢え渇く幽霊』

051 野村美月『"文学少女"と飢え渇く幽霊』(ファミ通文庫) 暗号めいたものが出てきてワクワクしたのに、その謎解きには行かずに物語はのろのろのろ。ゴシック体の部分も、今回はころころ視点が変わるのでなんだかなあと思ったら、そうか、彼女が書いたもの…

『竜巻ガール』

050 垣谷美雨『竜巻ガール』(双葉文庫) 四篇から成る短篇集。「第27回小説推理新人賞受賞作」とあったので手に取ったが、あんまりミステリっぽくなかったなあ。でもガングロ少女の話は意外と良かったし、少々とうのたった女性一人称で書かれた「渦潮ウーマ…

『鼻』

049 曽根圭介『鼻』(角川ホラー文庫) 巷で評判の高いホラー小説大賞(短編賞)受賞作を含む三篇から成る作品集。おお、この不条理でシュールな笑いは筒井康隆さんに似ているかも。ホラーというほど怖くないけど、こういう奇妙な味はけっこう好きーと思いな…

『夜の朝顔』

048 豊島ミホ『夜の朝顔』(集英社文庫) 女の子って、めんどくさーい(笑、なので、物語後半の主人公の立ち位置はすごくよく分かる)。記憶の奥底に沈んでしまった感情や情景を、色鮮やかに文章で再現する著者の才能はやっぱりすごい。タイムマシンで過去に…

『サクリファイス』

047 近藤史恵『サクリファイス』(新潮社) 2007年の話題作。いやあ、たしかにこれはすごいわ。自転車レースの複雑な仕組みは全く知らなかったので勉強になったし、最後まで読んでその題名の意味するところを知り戦慄した。手がかりがあらかじめ読者の前にさ…

『抒情的恐怖群』

046 高原英理『抒情的恐怖群』(毎日新聞社) 表紙と帯の京極さんの推薦文に惹かれて手に取った一冊。平山夢明さんの書くものと題材が似通っているところもあるが、あちらが「ロック」なら、こちらは「琵琶法師の語り」(?)といった感じか。程よく枯れて、…