2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

刑事コロンボ「アリバイのダイヤル」

犯人を落とす決め手になった小道具が、番組の最初から実に上手く紹介されていたのだなあ。さりげなく、不自然でなく、しかしどこかしら視聴者の心に引っかかりを残すような。このさじ加減は上手い。犯人の動機の弱さを指摘する声もあるようだが、たしかには…

刑事コロンボ「溶ける糸」

犯人、よく働くなあ、ご苦労さま(笑)。ラストの切れ味には目を見張りました。が、患部に使われていた糸を抜糸するときって、プチプチ切って抜くでしょ。使って残った糸ならともかく、使用済みの糸があんなモジャモジャ繋がった状態で存在するとは思えない…

「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」

どうしようもないダメ男なのに妙に捨て置けない、そんな大谷を演じる浅野忠信が上手かったなあ。彼の理不尽な振る舞いはむしろ滑稽で、館内でも時おりくすりと笑い声が上がっていた。かいがいしく働く松たか子も可愛かったし、広末涼子の愛人も雰囲気があっ…

「私の中のあなた」

前半、家族それぞれの視点で物語が描かれているので、おのおのの心情や、家族の歩んできた道のりがとてもよく分かった。必要以上に湿っぽくならず、音楽も軽快。最初と最後、アナのモノローグできりりと引き締められているところも良かった。アビゲイル・ブ…

「クヒオ大佐」

隣に座ってた男の人が終始バカ受けで、エンドロールでは拍手までしてたんだけど、そ、そんなに面白かったかなあ?(笑)(「アサッテ」や、わざわざドルでお金を返すところはおかしかった。) 詐欺の手口は稚拙で、でもお金目当てというよりは、現実逃避のフ…

「さまよう刃」

原作は未読。ぜひ読んでみようと思います(ラストが違うらしいし)。 いかにも映画らしい、どっしりしたいい映像だと思った。ロケの風景もとても活きている。音楽もいい。役者もいい(特に寺尾聰。ラストの顔はすごいよ)。なのに途中、眠くて仕方なかったの…

本は見た目が何割?

書影神経衰弱、なんちゃって。残るものもありますが。 ********** それでは答え合わせ(?)。最近刊行された画集も好調、人気のイラストレーター、中村佑介さん。私は、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』表紙で初めて知ったのだが、このと…

「エスター」

定石をきちんと踏まえた、正攻法のホラー映画。意外な真相というより、納得のいく真相だった。雪と氷に閉ざされた冬の風景もよかったし、なによりイザベル・ファーマンがとにかく凄かった。 (映画館にて鑑賞) 以下、ネタばらしあるんでたたみます。

『龍神の雨』

071 道尾秀介『龍神の雨』(新潮社) 道尾さんは、どんどん文章が上手くなるなあ。リズムがいいんだよね、怖いくらいに。子供たちの辛い状況が、読んでてほんっとにしんどくて。ところが後半、あれ?あれれ?ええっ!?という展開に。「想像は人を喰らう」な…

『傍聞き』

070 長岡弘樹『傍聞き』(双葉社) 地味ではあるが、様々な職場とそこで働く人間を、簡潔な文章できちっと描いていることに好感を持った(かなり取材をしているんだろうか)。先の展開は各短篇ともある程度予想がつくが、ラストの「迷走」には唸らされた。宮…

「空気人形」

ペ・ドゥナ、ペ・ドゥナ、ペ・ドゥナ!! 目に見えない“空気”がちゃんと感じられる、いい映画だったなあ。 (映画館にて鑑賞)

刑事コロンボ「黒のエチュード」

妻の母親の財力をあてにする小物のわりには犯人が堂々とし過ぎていて、コロンボが現れてもハラハラがいまいち盛り上がらない。花の手掛かりもあまりにあからさまで、今回はどうもなー‥と思っていたらどっこい、ポールとオードリーにやられました。たしかに後…

「3時10分、決断のとき」

ぎゃー、ラッセル・クロウがめっちゃめちゃカッコいいやんけ〜! 不適な笑みから突如豹変して人を殺す残忍さ、聖書を諳んじる頭の良さ、絵の上手さ、食事のマナーなどから分かる育ちの不遇さ、部下に慕われる手腕と人柄‥などなど、ウェイドという人物を、静…