2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『工学部・水柿助教授の逡巡』

028(小説) 森博嗣『工学部・水柿助教授の逡巡』(幻冬舎) 面白いっ。ふざけているけど面白い〜。ミステリヲタや出版業界への皮肉(客観的事実を述べているだけなんだけど)にもついつい笑ってしまう。ラストに至っては、ズルいくらいに晴れやかな読後感。…

「ZOO」

原作ファンの期待は裏切らない出来でした。お金を払って観る価値あり。パンフレット300円は妙に安いなと思ったら、プレスシートという代物だったか、やられた(笑)。 音楽がなかなかに効果的。主題歌(エンディングの曲)は特になんとも思わなかった(笑)…

『中原中也 花と言葉の詩画集1』

027(詩画集) 『中原中也 花と言葉の詩画集1』(ポプラ社) 若林佳子さんの押花絵はとてもカラフルで綺麗、でも押花ってよく考えると花の屍なんだなあ。「北の海」や「サーカス」は収められているが、肝心の「昏睡」がないのが大変残念(何のことだか分か…

『銅版画 江戸川乱歩の世界』

026(イラスト&解説) 多賀新/志村有弘『銅版画 江戸川乱歩の世界』(春陽堂) 春陽文庫の江戸川乱歩文庫30冊の表紙絵。グロテスクで精密で、いい絵だなあ。解説は、絵の解説ではなく乱歩の小説の解説なので、未読の私はネタバレが怖くて読めないのが残念(…

「オペラ座の怪人」

「スクリーンで観るミュージカル」。歌が役者さんたちの生歌だったとは。てっきり吹き替えだと‥いやはや、おみそれいたしました。 1919年の廃墟と化したオークション会場から、1870年の過去へと一気に場面が移り変わるシーンは、鳥肌が立った。CGはこう使わ…

『モロッコ水晶の謎』

025(小説) 有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』(講談社ノベルス) 一番のお気に入りは掌編「推理合戦」。『ジュリエットの悲鳴』の時も思ったけど、有栖川さんのショートショートは上手いな。物語が短かければ短いほど、一文一文の担う役割が大きくなり、それ…

『空想の繪本』

024(絵&エッセイ) 安野光雅『空想の繪本』(講談社) 安野さんの絵本は、トリッキーなものも自然を描いたものも、みんな大好き。この本は、過去の作品についての解題エッセイがたいそう興味深かった。

『おぞましい二人』

023(絵本) エドワード・ゴーリー『おぞましい二人』(河出書房新社) ひたすら淡々と綴られる物語。絵だけ見ていると、ぽわ〜っとした感じ(笑)なんだけど、現実に起こった事件を題材にしているという点で、他のゴーリー本と一線を画する読後感あり。

『まったき動物園』

022(絵本) エドワード・ゴーリー『まったき動物園』(河出書房新社) 「まったき」の意味が分からなくて(笑)。原題は「The Utter Zoo」“完全な動物園”。ゴーリーらしい奇妙かつユーモラスなアルファベット本。短歌調の訳も最高。

『箱少年』

021(絵本) 七戸優『箱少年』(パロル舎) ちょっとレトロな少年の絵と短い文章がいい感じ。谷山浩子ファンにはけっこうツボかも。

『パンプルムース!』

020(詩画集) 江國香織/いわさきちひろ『パンプルムース!』(講談社) 新聞広告を見てひとめぼれ、速攻購入。ちひろさんの絵に江國さんのひらがなの詩が。見た目はやわらかだけど中身は相当に鋭い、これはいい!

『そこへ届くのは僕たちの声』

019(小説) 小路幸也『そこへ届くのは僕たちの声』(新潮社) 植物状態の人の声が聞こえる奇跡、中途半端な誘拐未遂事件。「ハヤブサ」というキーワードをきっかけに、それらの事件と点在する幾人もの人たちがつながってゆく中盤が面白かった。大人と子ども…