2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『猫を抱いて象と泳ぐ』

016 小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』(文藝春秋) 奇妙な人(や動物)ばっかり出てきて、でもそれらを紡ぐ作者の視線の何と暖かいこと。チェスを知らなくても、詩を読むようにその情景が頭に入ってくるのも、すごいと思った。

『少年になり、本を買うのだ』

015 桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』(創元推理文庫) いやあ、真摯で無邪気で果てしなくどん欲、「ほんとにほんとに読書が好き」という著者の姿勢がいいよなあ。読んでるこちらまで幸せな気持ちになれるエッセイ。堪能しました。 と…

『蝦蟇倉市事件(1)』

014 アンソロジー『蝦蟇倉市事件(1)』(東京創元社) 冒頭の地図を見ただけでもう、ワクワク。 道尾秀介「弓投げの崖を見てはいけない」うっまいなあ、かなりキワドい部分もあるけれど。最後の“三人の可能性”については、作者に指摘されるまで気がつかなか…

「アリス・イン・ワンダーランド」

原作は実は未読(^^;;;)。ディズニーのアニメを子どもの頃見たことあるので、おおよそのストーリーは知ってるよ、程度。 観る前は、“大人になったアリスの話ってどうなのよ?”って感じだったんだけど、これがなかなか(^^)。どこのドラゴンクエストだよ、…

「第9地区」

これは面白い!特に前半は大笑い(劇場内なので声には出しませんでしたが)。「○○詐欺」って!(笑)気はいいけれどヘタレな主人公も、差別への風刺が効いてるところもいいなあ。危機意識の薄さ故に怪我を負い、その部分から変体が始まるというような、スト…

「薔薇の名前」

「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」がお好きな方は、もう、ぜひぜひぜひ。20年以上も前にすでに、こういう凄い作品が作られていたんだなあ。セットは圧巻、俳優たちのアクの強さもいい意味で効いていて、見応えあり。「そ、そんな理由で‥」とは思いまし…

『花窗玻璃』

013 深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』(講談社ノベルス) 読み終わってみれば、あちこちに顔を出していた小道具が、上手く機能していたんだなあと。ランス大聖堂でなくては実行できないトリックも、なかなか。カタカナをすべて漢字で表記した作中作…