2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『6時間後に君は死ぬ』

033 高野和明『6時間後に君は死ぬ』(講談社) 題名に惹かれて手に取った一冊。口当たりの比較的良い話を、サスペンス満載の二篇で囲む構成がまず見事。良い話にもちゃんと「なるほどそれがそうつながるか!」という箇所がキラリと光って面白かったし、でも…

「バーン・アフター・リーディング」

くっだらねーー。でも面白ぇーー。踊るブラピ、最高。 この程度の仕事で給料もらえるんなら、CIAも楽な家業だわな(笑)。エンディングの歌「CIAマン」まで可笑しかったよ。コーエン兄弟の作品を観たのは「ノーカントリー」に次いで二回目だったけど、死体を…

「グラン・トリノ」

結末は予想していた通り。うわあ、C・イーストウッド、凄いわ。俳優としても、監督としても。お姉さん役のアーニー・ハーがかわいかった。(以下、微妙に結末に触れているのでたたんでおきます)

『百瀬、こっちを向いて。』

032 中田永一『百瀬、こっちを向いて。』(祥伝社) 静かに、ほのかに。心すくわれる短篇集。表題作が一番好きかな。 文体といい、ちょこっと顔をのぞかせるミステリ風味といい、カンペキ著者は乙一くんと同一人物だと思うけど、まあそんなことは本の評価と…

刑事コロンボ「殺意のキャンバス」

はい、私のキラいな「プレイボーイもの」(笑)。なので、終盤の展開には拍手。コロンボによる夢判断はあまりに強引だし、キャンバスのトリックも大したことない。唯一、ラストの絵には意表をつかれた。

「スラムドッグ$ミリオネア」

冒頭、スラムの町中を子供たちが疾走するシーンで、もう釘付け。音楽、カメラワーク、すごいです。ストーリーは想像してたのとちょっと違って、主人公が周囲を見返す話ではなく、純粋なラブストーリー(かなりあまあま)。彼が答えられたのは「運」も多分に…

「鴨川ホルモー」

原作は大好き。『ホルモー六景』も既読。 なまじ思い入れのある小説なんで、「これはどうよ」な部分もあったけど、まず、ロケーションとキャスティングは二重マル。京都の四季折々の自然、広々とした鴨川べり、原作まんまの大学や神社、古くてごちゃごちゃし…

『本漫画』

031 和田誠『本漫画』(毎日新聞社) 和田誠さんのほのぼの絵で描かれる、読書にまつわる一コマ漫画。童話や映画などをモチーフに、様々な人や動物やその他いろいろが本に夢中になる姿。それが見ていて楽しいったら。本好きのあなたなら絶対楽しめること間違…

「酒井家のしあわせ」

「お父さんに他に好きな男が出来て、家を出て行った」という部分しか知らずに観たので、いやはやそういう話だったのかとびっくりでした。なんちゅー無器用な男なんじゃいと思いつつも、じーん。ところで公式サイトで予告編見たら、ストーリーほとんどバラし…

刑事コロンボ「華麗なる罠」

おっ、今回は旧シリーズっぽい展開で、いいですねこれ。犯行を隠蔽するだけでなく、妻に罪をかぶせ、敵対する義父をも巻き込んで自らの保身を謀る犯人。その手口はなかなか凝っていたし、それに対抗するコロンボも、わずかな手がかりを見逃さず執拗に食い下…

『名探偵の掟』

030 東野圭吾『名探偵の掟』(講談社文庫) 本格をよーく分かっててこそ書けた作品だと思うけど、愛よりは毒の方が勝ってたかな。競馬方式で犯人名の予想をするとこ、面白かったなあ。しかし、天下一がこんな情けない役回りだとは思わなかった。私の脳内では…

『ズーム』

029 イシュトバン・バンニャイ『ズーム』(ブッキング) どんどん視点がズーム・アウトしていくのね。ラストは想像できたけど、その過程に様々な仕掛けがあって、面白かった。

「ドッペルゲンガー」

ホラーなのかと思いきや、途中からロードムービー?あれ? 監督も「ホラーの枠を打ち破りたかった」とインタビューで云ってたし。役所広司の一人二役が圧巻。永作博美かわいい。DVD特典のメイキング映像(合成技術とか)もとても興味深かった(ラストシーン…

『秋期限定栗きんとん事件』

028 米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件(上・下)』 バスの座席や何も盗らない泥棒などの日常の謎はぴりっと効いてるし、メインの連続放火事件もほぼ予想通りの結末とはいえ、伏線がきちんと回収され、さらに登場人物たちも収まるべきところへ収まって、めで…

刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」

前回といい今回といい、女にモテまくりのチャラい男の話は、苦手だなあ。お姉さん役の人がいい味出してた。検死係の人も(笑)。 以下ネタばらしなので

『造花の蜜』

026 連城三紀彦『造花の蜜』(角川春樹事務所) うわー、そこまで凝るか!の誘拐劇。冒頭からエンジン全開、どいつもこいつも怪しく見えてくるし。前半のプロットが特に好きだったなあ。終わり方にはちと「あれっ」って思ったけど、本を閉じてからじわじわと…

『私の男』

025 桜庭一樹『私の男』(文藝春秋) 「おとうさん」ひらがな五文字の甘い響きがたまらない。過去へと遡っていく構成が秀逸。おおもとへとたどり着いてみれば、ものすごーくシンプルな、唯一無二の「あなたと私」の話だったのね。殺人に関する部分は安直すぎ…

『キサラギ』

024 古沢良太・相田冬二『キサラギ』(角川文庫) 大好きな映画のノベライズ版。映画と結末が違うとの事前情報があったので、読んでみた。なるほど、結末が違うというよりは、映画になかったエピソードが付け加えられているのね。家元の視点で語られる物語は…

『山魔の如き嗤うもの』

023 三津田信三『山魔の如き嗤うもの』(原書房) 最初の100ページは苦行(笑)、でもその後は、一章が短くトントン物語が進むので、すらすら読み進めることができた。謎が二ページにまたがって列挙される例の部分は、毎度のことながら圧巻。もちろん全部は…

刑事コロンボ「だまされたコロンボ」

一応たたんでおきます。