2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「クワイエットルームにようこそ」

めちゃめちゃ身につまされたです。 八方ふさがりのぐちゃぐちゃな精神状態になった時は、大の字に寝っ転がって天井の蛍光灯を見て、この映画を思い出そう、そう決めました。ひとりでもちゃんと生きていかなくっちゃ、うん。願わくは、その時五点拘束されてい…

『怪談集 花月夜綺譚』

072(小説)集英社文庫編集部編『怪談集 花月夜綺譚』(集英社文庫) 題名の「怪談」にふさわしく、どれも語り口が滑らかで読んでいて心地よかった。ほとんどが時代ものなのだが、恩田さんの作品だけがとっても妙。とてつもない。でも怖くて一番好きー。

『1950年のバックトス』

071(小説) 北村薫『1950年のバックトス』(新潮社) ホラーあり、駄洒落(笑)あり、心がじんわり温まる話あり、これは素晴らしい掌篇集。中には一読しただけではピンとこない話もあったけど、文章が巧みで、読んでいる間すごく充実した時間を過ごさせても…

『遠まわりする雛』

070(小説) 米澤穂信『遠まわりする雛』(角川書店) 読み終えると春が来る(^^)。謎解きとしてはあっさりめの短篇が多いが、「心あたりのある者は」「あきましておめでとう」は、うおおこれぞ本格!な気分を味わえた。

『北極ライフ』

069(写真集) 谷山浩子/ナショナル ジオグラフィック『北極ライフ』(日経ナショナル ジオグラフィック社) 映画「北極のナヌー」のフォトブック。帯の言葉「しろくまもラクじゃない。やさしい気持ちになれるフォトブック」というのは、正直見当外れもいい…

『捨て色』

068(小説) 玉岡かおる『捨て色』(角川文庫) 「色の名前」が好きな自分が、題名に惹かれて手に取った一冊。 人生や恋愛って勝ち負けだけじゃないと思うんだけどなあ。そんな中、お気に入りの一篇を選ぶとしたら「浅葱色の海を見ている」かな。「からくれ…

『ミサイルマン』

067(小説) 平山夢明『ミサイルマン』(光文社) 血と汚物にまみれた手で、甘い甘いラブストーリーや、魂の洗われるような青春グラフィティーを紡ぎ出す。チクショウ、やっぱスゴイや平山夢明。「それでもおまえは俺のハニー」「ミサイルマン」が特に好き。

『片耳うさぎ』

066(小説) 大崎梢『片耳うさぎ』(光文社) すごく面白かった。少女の成長物語としても、ミステリとしても。古いお屋敷の色や匂いがもっと感じられると、さらに良かったな。

『片眼の猿』

065(小説) 道尾秀介『片眼の猿』(新潮社) 映像を思い浮かべながら小説を読む自分は、ええ思いっきりダマされましたとも。さり気ない伏線の仕込みとその回収の仕方が実に見事。寓意を含んだエピソード(片眼の猿とか鳩の話とか)は伊坂幸太郎ふうかな。ロ…