2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『銃とチョコレート』

035(小説)乙一『銃とチョコレート』(講談社) 祝・うつのみやこども賞! けっこうダークな部分もあるけど、いい人悪い人、そんな紋切り型の分け方が通用しないところが深いなあ。平仮名が多いせいか、初読の時は中盤間延びした印象を持ったけど、再読した…

『でかい月だな』

034(小説)水森サトリ『でかい月だな』(集英社) おお、これはけっこうツボ。主人公の心情がとても自然に描かれていて、自分の気持ちと重ね合わせながら読むことが出来た。中川くん、いい味出してるなあ。幻想的な描写がもう一息、あと眼帯少女が後半唐突…

『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』

033(実用書)大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』(PARCO出版) 同じことを三年もやってると、マンネリになったりテンション下がったりしてもおかしくないのに、この二人はそうした懸念とは一切無縁。いやー相変わらず飛ばしてくれ…

『ブラバン』

032(小説)津原泰水『ブラバン』(バジリコ出版) いきなり30名を越す登場人物表(しかも担当楽器付き)が出てきて面喰らったが、気にすることはないよ。高校時代と25年後の現在とが何度も交錯する構成なのに、本文を読んでるだけで自然に、大勢の人物の昔…

『できるかなクアトロ』

031(漫画)西原理恵子『できるかなクアトロ』(扶桑社) どこまで行くんだサイバラ。ヒジュラとゴビ砂漠が特に良かった。こんなに地に足のついたルポはそうはお目にかかれない。

『時を巡る肖像』

030(小説)柄刀一『時を巡る肖像』(実業之日本社) 柄刀さんというと、空を飛ぶよな不可思議状況を力技で着地させる「トリックの人」というイメージがあったんだけど、うわあこれは新境地? その人物ならではの動機がどれも説得力あって、読みごたえがあっ…

『樹霊』

029(小説)鳥飼否宇『樹霊』(東京創元社) ううむ、キャラが薄いなあ‥って、なんせここ二ケ月ずーっと京極堂シリーズに浸っていたので、あれと比べちゃどんな小説のキャラも薄く見えるわな(笑)。まあこれは、個人的に読んだ時期が悪かったということで。…