2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「幸福な食卓」

『きつねのはなし』

015(小説)森見登美彦『きつねのはなし』(新潮社) 普通の言葉が素直に綴られているようでいて、どっこい並の人間には到底書けない文章だねこれ、上手いなあ。狐のお面、闇を跋扈する謎の獣、琵琶湖疎水、物語を彩る小道具もいい。ただ段落がやたらと短い…

『白戸修の事件簿』

014(小説)大倉崇裕『白戸修の事件簿』(双葉文庫) 白戸クンのキャラがいいね。巻き込まれるだけでなく、ちゃっかり事件を解決する話が特に好きだな。

「それでもボクはやってない」

観終わって呆然。そ、そういう映画だったのか!エンディングの音楽、すごくいいね。 人が人を裁く以上、100%正しいということはあり得ないのだと。だから、裁く重みをみんなで分かち合いましょう、もうすぐ実施される裁判員制度ってそういうことなのかなと…

『猫の建築家』

013(絵本)森博嗣・佐久間真人『猫の建築家』(光文社文庫) なかなかに高尚な内容で、真剣に読みふける。これを読んだ後だと、我が家の寝てばっかりの駄猫も、いっぱしに哲学しているように見えますな(笑)。

『レイクサイド』

012(小説)東野圭吾『レイクサイド』(文春文庫) おおっ、そういう真相だったのか、そういう動機だったのか。大人たちの行動には納得しがたい部分もあったけど、自分が同じ立場に立たされたら‥うーん、やっぱり訊きにくいかもなあ。

『動物園の鳥』

011(小説)坂木司『動物園の鳥』(創元推理文庫) 子どもっぽいけど真摯な物語。登場人物の性格や過去などのキャラ設定が、謎の解決とすごく上手くリンクしている。これ、ミステリとしてもっと評価されていい作品だと思うけどなあ。

『書店繁盛記』

010(エッセイ)田口久美子『書店繁盛記』(ポプラ社) 題名と内容が合っていない気も(だって景気の悪い話ばっかり)。それはともかく、誰を対象に書いているかがちょっと分かりにくい部分があった。出版業界の仕組みや用語は、一般読者向けに脚注が必要か…

『未来世界へようこそ』

009(小説)赤木かん子編 SFセレクション(7)『未来世界へようこそ』(ポプラ社) 読後感の良いもの揃い。未来世界というからには、もっと奇抜なのを読んでみたかった。

『変身願望〜メタモルフォーゼ』

008(小説)赤木かん子編 SFセレクション(6)『変身願望〜メタモルフォーゼ』(ポプラ社) 「ぼくは、おんなのこ」このネタで長篇を読んでみたいな。「わが家のサッカーボール」は、ほのぼのなんだけど凄かった。菅浩江さんの『永遠の森』は今度読むぞ。

『科学者たちの陰謀』

007(小説)赤木かん子編 SFセレクション(4)『科学者たちの陰謀』(ポプラ社) 「究極触媒」はちょっと本格ミステリっぽい味も(傍点あるしね)。「バックネットの青い影」うわあ、こう落としますか。

「シムソンズ」

実話を元に作られたって聞いたんだけど、どのあたりが? 小野寺さんは農家の娘で、カボチャで練習したのかしら、とか、マジで考えてしまったんだけど(笑)。 ま、それはともかく。 マンガチックな演出、ストーリー。でもこれはこれでいいんじゃないかな。加…

『この本読んだ?おぼえてる?2』

006(その他)あかぎかんこ『この本読んだ?おぼえてる?2』(フェリシモ出版) 新しい国語の教科書をもらうと、まずは端から端まで読む。特に物語はじっくり読む。そういう子どもだったので、あの頃のワクワク感がよみがえって来た感じ。昔読んだお話をもう…

『宇宙の孤独』

005(小説)赤木かん子編 SFセレクション(3)『宇宙の孤独』(ポプラ社) 作者の想像力は宇宙より広いかもと感心させられた「棺」。「ヴァーニスの剣士」は笑ったなあ、訳文も上手いね。

『ロボットvs.人間』

004(小説)赤木かん子編 SFセレクション(2)『ロボットvs.人間』(ポプラ社) やっぱりアシモフはすごいなあ、星新一も手塚治虫もすごいなあ。切ない話の多い中、論文調の「未来世界の構築」は異質だったけど歯ごたえあり。ロボットものといえば清水玲子がい…

『時空の旅』

003(小説)赤木かん子編 SFセレクション(1)『時空の旅』(ポプラ社) わたくし的にはもう、星新一ばんざいなわけで。「午後の恐竜」シニカルかつファンタジック、意外な結末も楽しめて云うことなし。「大英博物館の盗賊」「トインビー・コンベクター」も、…

「パッチギ!」

笹野高史に助演男優賞を!! 国と国の間に横たわる深い溝をも超えてゆく、愛だったり歌だったり。テーマは重いが、しっかりエンターテインメントに仕上げているのはさすが。 沢尻エリカは、可愛いだけでない存在感があって良かった。真木よう子の飛び蹴りに…

「空中庭園」

不安定に弧を描いて揺れるカメラワークとか、ホラーな演出はなかなか好み。キョンキョンも熱演。 でも、原作を読んでから映画を観たので、エンドロールが始まった瞬間、思わず声に出して「えーーっ!?」。 だってこれじゃ、絵里子ひとりが悪者みたいじゃん…

『地球最後の日』

002(小説)赤木かん子編 SFセレクション(5)『地球最後の日』(ポプラ社) これはSFというよりは、起こりうるかもしれないホラーだね。すっごく面白かった、五篇ともずっしり心に残った。 「電話がなっている」は、一部で「トラウマ児童文学」として有名なん…

『姉飼』

001(小説)遠藤徹『姉飼』(角川文庫) 単行本が出た頃に冒頭だけ読んで、当時はそのすさまじさに仰天したのだが、平山さんの『〜メルカトル』を読んだ今となっては、なんか普通に思えちゃう(笑)。まわりはどろどろでも芯は愛しかったり切なかったり。四…