2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『雨の恐竜』

041(小説)山田正紀『雨の恐竜』(理論社) あとがきに「私のなかには十四歳の少女が存在する」と書かれていて、ほんまかいなと斜に構えて読み始めたら、本当だった。著者にとって性別も年代も違う人物をこんなにリアルに描けるものなのかとびっくりした。…

『小生物語』

040(エッセイ(小説?))乙一『小生物語』(幻冬舎文庫) 日常も、乙一ボックスを通すとこんなに変容。Web連載時にも読んでいたので、ソファーの少年との再会が嬉しかった。

「キサラギ」

伏線フェチのそこのあなた、これはお薦めでっせ。自分は、ユースケと塚地と香川照之が出てるという前情報だけで映画館に足を運んだのだが(その目的も我ながらどうかと(笑))、最初のうちこそいかにも舞台劇っぽいテンションの高さが気になったものの、中…

『黙の部屋』

039(小説)折原一『黙の部屋』(文藝春秋) フィクション(と思われる)部分より、実在した黙に関するノンフィクション部分が圧倒的に面白かった。オークションの描写なんか、すごいリアル。いっそのこと主人公には、女なんぞにうつつを抜かさず、黙ひとす…

『赤朽葉家の伝説』

038(小説)桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社) 「昭和初期から平成まで、時代の移り変わりに絡めて語られる、旧家の女性三代記」ではあるんだけど、そんな言葉じゃこの小説の魅力は半分も伝わらないだろう。素っ頓狂でチャーミング。こんな物語読ん…

『パズルゲーム☆はいすくーる(15)』

037(漫画)野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる(15)』(白泉社文庫) ネタは早い時点で予想がつくものもあったが、ストーリー運び、特に締めくくり方が上手いので、安心して読める。鉄板だね。「嘘つきが多すぎる」がとりわけ好き。

『鉄鼠の檻』

036(小説) 京極夏彦『鉄鼠の檻』(講談社文庫) このまま自分は、箱根の山中で雪と僧侶にまみれて息絶えるかと思った(僧の呼び方が名字だったり下の名前だったりするので覚えられねえ(笑))。面白かった、けど長いなあ。これ以上はないってくらいレギュ…