2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『奇談蒐集家』

058 太田忠司『奇談蒐集家』(東京創元社) 奇談と思われた話に現実的解釈を施しストンと落とす。という話の流れが分かってしまうと、そもそも登場人物が少ないので、話の途中で「コイツが怪しい」と着地点が見えてしまうのがちと残念。訪問者によって、ラス…

「ハッピーフライト」

綾瀬はるか扮する新人CAの成長物語、かと思ったらだいぶ違って「あれ?」。でも、飛行場で働く様々な人々の仕事を垣間見れて、すごく面白かった。飛行機の映像もめちゃめちゃ迫力あったし(どこにカメラを仕込んだんだ!というような画も)。ただ、飛行機の…

「TOKYO!」

冒頭の「中央新幹線」に、んなもんねえよ!と苦笑‥するも、えっ、将来リニアモーターカーが通ったら、それがそう呼ばれる予定なのか。知らんかったなあ。 ‥という関係ない話は、さておき。 「インテリア・デザイン」藤谷文子、初めて見た女優さんだったけど…

『千年樹』

057 荻原浩『千年樹』(集英社) ひとつところで千年生きるというのは、こういうことなのか。樹を見る目が変わりました。 幾多の時代を越え、そこで繰り広げられる人間模様をだまって見続ける大樹の存在が、優しさや癒しではなく畏怖、さらには凶々しさすら…

『ザ・万歩計』

056 万城目学『ザ・万歩計』(産業編集センター) マキメさんは人生楽しそうだなあ。でもって、読んでるこっちまで楽しくしてくれるからすごいよなあ。これからも時を超え海を越え、さらなる自由奔放な小説を期待したい。 「篤史 My Love」は、自分の五本の…

『ホルモー六景』

055 万城目学『ホルモー六景』(角川書店) これはすごい。読み終わった今、感動に打ち震えている(大袈裟ではなく本当に)。『鴨川ホルモー』であまり詳しく描かれなかった脇役たちのサイドストーリーなんだろうと読み始めたら、時を超え(だから京都なのか…

「トウキョウソナタ」

なんかいろいろびっくりでした。今なおドビュッシーの「月の光」が頭の中で鳴り続けてます。家族ってなんなんだろう。 香川照之が上手いのはもちろんのこと、肝の座ったお母さん役の小泉今日子がすごく良かった。先日の「グーグーだって猫である」といい、今…

『毎週かあさん』

054 西原理恵子『毎週かあさん』(小学館) パチもん?裏モノローグ? 何をおっしゃる、サイバラに裏も表もありませんぜ、まるっと全部がサイバラなのだ。それにしても、この四年間に出した本のなんと多いこと、仕事のし過ぎに気をつけてね。 裏表紙が元気な…

『名前探しの放課後』

053 辻村深月『名前探しの放課後(上・下)』(講談社) 自意識過剰だったりプライドが高かったり、微妙に感情移入しにくい登場人物に加えて、物語が「どうしてこれだけのことを云うのに、こんなに多くのページを使わなきゃならないんだろう?」ってくらい遅…

「ブーリン家の姉妹」

イギリス版「大奥」‥とはちょっと違うか(笑)、でも、国は違えどやってたことは変わらないんだなあと思いました。男子をもうけなければお家断絶、女は子どもを産む道具。唯一違うのは、キリスト教が重婚を認めないがゆえに、妾の立場は男子を産んでも弱いっ…