2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『道』

018(詩画集) 光原百合『道』(女子パウロ会) 黒井健さんの絵に惹かれて手に取ったら、作者が光原百合さんだったのでびっくり。素直な、いい詩だ。

『4TEEN』

017(小説) 石田衣良『4TEEN』(新潮社) 現代に生きる14歳の少年たちの日常、友情、冒険、不安、性と愛、生と死、めいっぱい詰まった短篇集。うちの長男くん(もうすぐ中2)やその友人たちと比べると、彼らはあまりにカッコ良くて、いいとこどりの気がし…

『工学部・水柿助教授の日常』

016(小説) 森博嗣『工学部・水柿助教授の日常』(幻冬舎文庫) 限りなくエッセイ(もしくは日記)に近い小説。でも読んでいる間中、げらげら笑って実に癒された。人の心をリラックスさせる文章が書けるのは立派な才能だ。日常の謎系の不思議な出来事とその…

『紅楼夢の殺人』

015(小説) 芦辺拓『紅楼夢の殺人』(文藝春秋) 中国という慣れない舞台に人名、登場人物の多さに最初こそビビったが、あっという間に読者を物語に引きこむ、巧みで活き活きとした語り口はさすが。次々と人が殺されるのに、陰惨さがかけらもない(笑)。そ…

『重力ピエロ』

014(小説) 伊坂幸太郎『重力ピエロ』(新潮社) まさしく題名通り、重いんだけれど、朗らか。この小説を通して「最強の家族」である彼ら四人と出会えたことが、一番の喜びだ。無謀を承知で云っちゃうけど、これ高校生の課題図書にして、皆にディスカッショ…

『臨場』

013(小説) 横山秀夫『臨場』(光文社) 筆者が元新聞記者なだけあってリアリティー満点。「鉢植えの女」「餞」が特に心に残った。前者は反転する様が美しい。後者は宮部みゆきさんのある短篇を彷佛とさせる好篇。 (文庫)

『幽霊人命救助隊』

012(小説) 高野和明『幽霊人命救助隊』(文藝春秋) うわあ、面白い! メガホンとか雪隠詰めとか、設定も良く出来てるんだわこれが。読んでいる間何度声を上げて笑ったことか。少々野暮ったさはあるものの、笑いあり、感動あり、現代社会の問題点(鬱病と…

『Q&A』

011(小説) 恩田陸『Q&A』(幻冬舎) ひとつの章がひとつの短篇のよう。「郊外型ショッピングセンターで多数の死傷者が出たが、いまだ原因特定できず」という設定から想像しうる様々な物語の羅列は、想像力の勝利! 特に序盤、事故当時の描写は迫力満点…

『リピート』

010(小説) 乾くるみ『リピート』(文藝春秋) リピートという現象に至るまでの準備段階が意外と長いんだけど、心理変化や行動が丁寧に描かれているので、自然に納得。後半のミッシングリンクの解決は、世界が反転する感覚が味わえて嬉しかった。ラスト「や…

『きょうはなんのひ?』

009(絵本) 瀬田貞二 作・林明子 絵『きょうはなんのひ?』(福音館書店) 北村薫さんの『ミステリ十二か月』で最初に取り上げられていた絵本。こういうお手紙ゲーム、うちの子たちも子供どうしで良くやってたなあ。すべての手紙を通しての仕掛け、含みある…

『博士の愛した数式』

008(小説) 小川洋子『博士の愛した数式』(新潮社) 読み始めたら止まらなくなり、気がついたら泣いていた。謙虚さと思いやりに溢れた、これは常に手元に置いておきたい一冊。さすが、2004年本屋大賞受賞作。 (文庫)