『ナイフ投げ師』

024(小説) スティーヴン・ミルハウザー『ナイフ投げ師』(白水社
「深泥丘魔術団」を彷彿とさせる題名に惹かれ、手に取った一冊。精緻なノミでこつこつ彫り上げた芸術品のような短篇集。あらすじにすると一、二行ですんでしまいそうな話なのに、その表現に費やされた膨大な量のイメージと言葉たるや‥! 読むのに時間はかかったけど、ブラボー、これぞ小説。「ナイフ投げ師」「空飛ぶ絨毯」「新自動人形劇場」「私たちの町の地下室の下」が特に好き。柴田元幸さんの訳もいい。