『クライマーズ・ハイ』

034(小説) 横山秀夫クライマーズ・ハイ』(文春文庫)
映画は望月彩子が出てこない!びっくり。
未曾有の大事故と組織のしがらみの間で翻弄される主人公。友人の息子との関係でほっと息を抜かせつつ、最後まで一気に読ませる筆力に感服。

署名記事の記者の名前なんて、正直読者は気にも留めてないと思う。なのに社内ではそれがものすごいステイタスであるとか、「所詮、もらい事故」「落ちたのが長野だったら他人事だった」「新聞協会賞だって夢じゃない」あたりは、読んでて納得しがたい気持ちにもなった。でも、それが新聞というものなのだろう。正しい正しくないという物差しでは計りきれない、報道の仕事というものを考えさせられた。