「酒井家のしあわせ」

「お父さんに他に好きな男が出来て、家を出て行った」という部分しか知らずに観たので、いやはやそういう話だったのかとびっくりでした。なんちゅー無器用な男なんじゃいと思いつつも、じーん。ところで公式サイトで予告編見たら、ストーリーほとんどバラしちゃってるのね(怒)。ラストのほうの映像まで惜しげなく見せちゃって、あれじゃ予告じゃなくてダイジェストだよ。最近はあそこまで事前に見せないとお客さんが来てくれないのかねえ、嘆かわしい。
‥と、気を取り直して感想を。主演の森田直幸くんがすっごく上手かった。あの年頃の男の子ってほんと、ぶっきらぼうであんなだよねー。友近も「口を開けば小言ばっかりのお母さん」って役、すごくリアリティーがあった。終盤もうちょっと情感こめても良かったかな。友近ユースケ・サンタマリアも、正直もっと上手く演れる俳優さんはいると思うんだけど、じゃあ誰がいいかと考え始めると、彼ら以外に全く思い浮かばないのよね。それだけ役にハマってたってことなのかな。
伊賀のロケーションを十分に活かして、とても丁寧に撮られていたって印象(ロケ地の一部は名張だったようです)。谷村美月も等身大の役で、かわいかったです。

(テレビ放映を鑑賞 今年20本目)
以下、ネタばらしなのでたたみます。
 
 
 
 
 
・(ここから→)周り関西人ばっかのところにひとりだけ「東の人」で、息子とは血が繋がってなくて、仕事もあんまり上手くいってなくて。お父さんはだんだん自分の居場所がなくなって、それで出てったのかと思いきや、まっったく違ったのね。ほんとは家族のことが大好きで、でもなまじ自分が早く親に死に別れた経験があったもんだから、余計な気をまわしすぎて。親としての責任はどうなのよとも思ったけど、彼は彼なりに必死に考えて、ひとりで死んでいくことを選んだんだなあ。
・お母さんが、お父さんの出てった翌日には全部お見通しだった、というのには、やられた。参った。
・結局はお父さんのウソだったわけだけど、麻田くんのほうはなんか本当だったっぽいよね。「まあちゃん」なんて呼んでるし、彼の世話もしてるみたいだったし。観終わったとき、麻田くんかわいそうやん、って思ったんだけど、そのあたり、小説版読めば分かるんだろうか。
・お母さんの実家の縁側でのやり取りとか、「手を上げるんじゃない」って怒られたこととか、次雄くんの心の中にずーっと残るんだろうなあ。
(←ここまで)