「ラブリーボーン」

一番印象に残ったシーンが「白いバスルーム」って‥どんだけホラーに毒されているんじゃい自分(笑)。でも「感動」とか「泣ける」といった煽り文句は、ちょっと違うよなあ。
スージーのいる「天国と地上の境目の世界」の造形が見せ所のひとつだとは思うのだが、私はいまいち乗れなかった。一面の麦畑とか、山とか海とか空とか、大自然の延長みたいな絵だと所詮、CGで描かれたそれは本物の迫力にはかなわないのよね。「落下の王国」とか観ちゃってるだけに。もっと思いっきり「非日常」な絵にしちゃったほうがよかったのかも(清水玲子の描いた「夢の中の世界」みたいに)。ボトルシップが漂ってくる海は、なかなか良かったけど。
スージーが向こうの世界から働きかけて、自分を殺した犯人を追いつめる、というストーリーでないところが面白かった。最後の「スージーがひとつやり残したこと」というオチも、14歳の少女らしくて、なるほどと。ただ、映画の中の時間の流れが今ひとつよくつかめなかった。スージーの妹は確実に成長してるんだけど、他の人物たちがなあ(特に、幽霊が見えちゃう女の子や、スージーの初恋の相手は、あまりに変わらなすぎー)。題名の意味も、なんだかピンと来なかった。
シアーシャ・ローナンは、ぜひ「つぐない」も観てみよう。犯人役のスタンリー・トゥッチは、なにっ、アメリカ版「Shall we Dance?」で竹中直人の役を演じただと?(笑)それも観てみたいぞ。
(映画館にて鑑賞 005)