「アウトレイジ」

北野武作品を劇場で見るのは、実は初めて。「あの夏、一番静かな海」をDVDで観たときは、音楽は抒情的なのに物語はカラッと乾いたなんともいえない間合いで、それが印象に残った。今回の映画も、指が飛んだり突然銃をぶっ放したり、暴力シーンはかなり容赦ないんだけど、どこか乾いた滑稽さが感じられた。テンポが良いせいかな。
昔の「仁義なき戦い」のほうがよっぽど仁義があったよと思える(笑)ぐらい、どいつもこいつも腹の中と外が違うこと違うこと。昔ながらの筋の通った大友は、できればビートたけしではなく、もうちょっと芝居の出来る人にやってほしかった。女性はほとんど登場しないが、なんだかみんなえらく古風だったな。主役を張れる役者をあれだけ揃えて制作費がなくなっちゃったのか、舎弟クラスのチンピラの数が少なすぎて、よく考えるとヘンだよな(笑)。
三浦友和は、カッコいいなあ。いいもんも悪いもんも(この映画では悪いもん)、両方演じられる幅の広さがすごいなあと。
(劇場にて鑑賞 022)