『ダイナー』

034 平山夢明『ダイナー』(ポプラ社
平山節、全開。でも平山さんはミステリの人ではないんだなあ。ボンベロの過去とか、組織の裏切者は誰なのかとか、その辺に「わ、そうだったのか」的展開があるともっと私好みだったのだが、無い物ねだりをしちゃいけませんな。
冒頭からキチクMax、でも長篇だと読んでるうちにだんだん慣れてきちゃうのね。ストーリーも「たぶんこうなるだろう」と漠然と予想する通りに進んで着地するので、ま、そのあたりが「エンタテインメント性が高い」ってことなんだろうけど、もっと読者を置き去りにした過激さを求めてしまうぞ私は(おいおい)。主人公は、もう一回り若い娘がよかったなあ。
あと、食事のシーンは、ハンバーガーがめちゃめちゃ食べたくなりますね。描写力、すごい。でもすぐグチャドロドッカーンがくるので、食欲落ちちゃうんだけど(笑)。

児童書のイメージが強いポプラ社が、平山さんの本を‥いえ嬉しいんですけどね、よくぞ出してくれたなあと(笑)。