「コクリコ坂から」

すごく丁寧に作られているなと思った。少年と少女の微妙な感情のぶつかり合いやすれ違いが、セリフ・表情とも過不足なくうまく描かれていたなあと。ただ、たとえば冒頭、主人公が歩くシーン、ただまっすぐ姿勢よく歩いていくだけで、面白みがないんだよね。遊びがないと云うか‥もうちょっと全体に、アニメならではの破天荒さがあってもいいのかなあと。今後の課題かな。
私の生まれるほんの少し前の話なので、学生たちの様子などは、懐かしいというより逆に新鮮に映った(あ、でもガリ版はよくやってたよ、切るのも刷るのも)。カルチェラタンにたむろする血気盛んな男子学生たちのモブシーンが最高。脇キャラが活き活きしてて、楽しかったなあ。「朝ごはんの歌」が実にヒロコさんっぽい歌で、ニコニコ。長澤まさみの声は、まったく違和感なくてよかった。大森南朋はイマイチかな。
(映画館にて鑑賞 012)
アリエッティーに引き続き(?)、過去のジブリ作品へのオマージュっぽく思えるシーンがいくつか。
・しっかり者の長女とマイペースの妹←「ハウル」の姉妹
・飛び降りてくる俊‥←「ラピュタ」の空から降ってくる女の子(?)
・俊が討論会で高笑い←「トトロ」の風呂場のお父さん
・坂道で自転車二人乗り←「耳をすませば」とか「魔女の宅急便」とか
カルチェラタンのバタ臭い外観←「千と千尋」の湯屋 ‥などなど