『犯罪』

043 フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(東京創元社
人の数だけ物語がある。小説の中の“事実”を淡々と積み上げているだけに見えるのに、それで突拍子もない展開をしっかり納得させてしまうから凄いなあ。意外な結末とは少し違うが、11の短篇それぞれに、着地点の見えない面白さ。禍々しさと滑稽さを併せ持つようなシンプルな装幀もマル。訳も読みやすかった。