『少女は卒業しない』

朝井リョウ『少女は卒業しない』(集英社文庫
取り壊されることが決まった高校の、最後の卒業式。それ自体はあまり描かずに、周りの出来事を時系列順にひとつずつ紡いでいく手法が上手い。「それ送辞でわざわざ云うような内容?チラ裏でいーんじゃないの」「さすがにメトロノームには聞こえないだろう」「うーむ、H組の描写が綺麗ごとすぎ」「一人の生徒が亡くなるって、もっと他の生徒にも影響大なのでは」とか突っ込みどころもあったけど、生徒たちのみずみずしい思いを一緒に体感できたので、よかった。
個人的には、最初の「エンドロールが始まる」がお気に入り。