『江ノ島西浦写真館』

三上延江ノ島西浦写真館』(光文社)
江ノ島、写真、ビブリアの作者。これだけ好きなアイテムが並んでいたら読まずにはいられない(笑)、ということで、普段はもっぱら文庫派の自分も手に取ってみた次第。
どこか陰のある登場人物たち、ワケありの人たちを静かに受け入れてきた不思議な写真館、などなど物語の昏いトーンはとても好き。伏線の妙や意外な人物のつながりも面白く読んだ。ただ長年江ノ島の近くで暮らしていた自分に云わせると、潮の匂いがしないというか、別に舞台がここじゃなくても良かったんじゃない?と。

まさか「ビブリア〜」と地続きの物語だとは思わなかったので、そこはうれしかったな。