『昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理』

007(小説) 鳥飼否宇『昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理』(世界文化社
聞いたこともない昆虫の名前や、「シロコパ」「カンポノタス」など舌を噛みそうな個々の名前(学名が由来なのは分かるのだが)に最初は戸惑ったが、それさえ慣れてしまえば、笑えて、本格としても充分に楽しめて、いやあ面白かった。それぞれの結末もきちんと伏線が描かれていて、私は納得(唯一「そりゃ分かんねえよ!」と思ったムツトゲイセキグモ登場の際には、ちゃんと本文中にも「怒号。罵声。喧々囂々。」って書いてあったしね)。ラストの一編の傍点部分には「うわ、あれがアリならこれもアリか!」と、のけぞった。これぜひ、文庫化してほしいなあ。(後日記:光文社より文庫化されました。短篇が一つ追加という嬉しいオマケ付き。)