『となり町戦争』

050(小説) 三崎亜記『となり町戦争』(集英社
印象を一言でいうと「さらさらさら」、でも水のさらさらではなく砂のさらさら、肌にザラつきが残る感じか。戦争を事業として扱う感覚は、以前別な本で体感したことがあったので、目新しさは感じなかったが、お役所仕事の細かい描写や時折挟み込まれる書類が奇妙にリアル。終章における主任の扱いは、ちょっと納得いかなかったな。一番不気味だったのは、戦争相手の固有名詞が最後まで出てこなかったこと。「となり」って名前の町なのか?(いや違うと思うぞ)
   (文庫)