「ハッシュ!」

先日観た「ぐるりのこと。」があまりに良かったんで、以前から気になっていた橋口作品を鑑賞。
我々の日常って、云わばワンシーンワンカット。カメラ一台で撮影した切れ目のない映像だ。だけど映画上でそれをやると、だらだらと長く感じたり、逆に微妙な緊張感をはらんだり、となりがち。ところが橋口作品では、同じ部屋の中にあたかも自分が同席して一緒に体験しているようなリアルさ、臨場感につながるのだ。これってすごい。
役者さんがみんなハマってて、特に女優陣は良かった。ほとんど面識もない男の子どもを産みたい、と突然云い出す突拍子もない女なのに、すごく説得力があった片岡礼子。嫁という立場をちっとも良く思っていないのに、いざとなるとがんとして「家」を重視する義理の姉役の秋野暢子、カワイイ顔してやることコワい同僚役のつぐみ。もちろん主演の二人(田辺誠一高橋和也)も、微妙な感情をとても上手く表現していたと思う。
家族会議のシーン、川岸のシーンが特に印象に残った。三人がわいわいしゃべったり買い物したりの場面も、ほのぼのしてて良かったなあ。

(DVDにて鑑賞)