『雪沼とその周辺』

042(小説) 堀江敏幸『雪沼とその周辺』(新潮文庫
『メッタ斬りリターンズ』で高評価だったので、ずっと気になってた短篇集。うん、いいもの読まさせていただきました。
物語も著者近影も(笑)平成の世のものとは思えない、でも古臭いのではなくとても懐かしい感じ。短篇それぞれが少しずつリンクしているのもいいし、出てくる人たちがみな、派手さはないけどコツコツ真面目に生きている様がとても好感触。著者は私と同じ年なのに、人生の年輪を重ねた人を書くのがどうしてこんなに上手いんだろう。ボーリングの機械、イラクサスープ、スピーカー‥、ディテールもきちんとしているし。