「宮廷画家ゴヤは見た」

たしかに「家政婦は見た!」みたいな(笑)冴えない邦題ですけど、ほんとにそういう話なんだから仕方ない。宮廷画家の目から見た、激動の時代のスペインとそれに翻弄され数奇な運命をたどる人々の物語。下手なカタカナの邦題よりはまだましだと思ったぞ。
観終わった後、ゴヤの画集を探しに本屋へ直行。町の小さな本屋には置いてませんでしたが(その前に、お財布の中身が千円に満たなかったので、見つけても買えなかったわ(笑))。
映画の冒頭と最後に出てくる本物のゴヤの絵が、もうすごい迫力で。湯水のようにあふれ出る才能をキャンバスに塗りたくったって感じの絵で、めちゃめちゃ惹かれました。きっと、宮廷画家として云われたとおりに、王や王妃のきれいな絵を仕上げてるだけじゃ全然物足りなかったんだろうなあ。しかし映画の中のゴヤは、そうした狂気を全く感じさせない品のいいおじさんで、いえそれはそれで視点となる人物として存在感もあるし役者さんも上手いんですけど、私としては絵とのギャップを感じざるを得ませんでした。ううむ。
ナタリー・ポートマンにそこまでやらせますか! 残念ながら十五年後のイネスが若すぎて母娘には見えなかったけど、いろいろびっくりでした。バルデムは最後が良かったなあ。町に軍が攻めてくる辺り、動物もうまく使ってすごくリアルな映像になってました。まあ、ほんとは皆が英語をしゃべってるのはヘンなんですが(笑)、それはお約束ということで。
(映画館にて鑑賞)