『完全恋愛』

022 牧薩次『完全恋愛』(マガジンハウス)
すげえっ! 昭和の歴史に寄り添った大河小説であり、紛うことなき本格ミステリ
戦中・戦後間もないころを描いた「おもい」の章なんてほんと、リアリティーありまくり。さすが格が違うわなあ。いろいろ読者に予想させて、その通りに物語は運ぶんだけど、思わぬ飛躍もあったりして。三つの不可能犯罪の真相もさることながら、最後、見事にヤラれましたわ。