2009-04-08 『私の男』 book 025 桜庭一樹『私の男』(文藝春秋) 「おとうさん」ひらがな五文字の甘い響きがたまらない。過去へと遡っていく構成が秀逸。おおもとへとたどり着いてみれば、ものすごーくシンプルな、唯一無二の「あなたと私」の話だったのね。殺人に関する部分は安直すぎると思ったけど、どんどん物語が純化していく後半、オホーツクの海の光景が胸に焼き付いて離れない。