『“文学少女”と穢名の天使』

057 野村美月“文学少女”と穢名の天使』(ファミ通文庫
聴衆を圧倒するトゥーランドットの歌声が、奇跡のような天使の子守唄が、本当に聴こえてくるかのようだった。キーパーソンが一つの高校に集まりすぎとか、大人が病みすぎとかも思ったけど、ま、いっか。楽しく過ごした時間は否定せず、暖かいままとっておきたい、そういう姿勢はとてもいいと思うよ、心葉くん。
私は思考が直列回路なので(笑)、「好きなのになかなか云えない」「自分に素直になれない」程度ならまだ分かるが、「好きなのに本人の前で大っ嫌いと云っちゃう」のはいくらなんでもアウトだろう(それ、いじらしいを通り越して意地悪すぎ)、なので琴吹さんが今まであまり好きになれなかった。でも、今作の彼女はだいぶ改善されたかな。と云いつつ遠子先輩派なので(笑)、今回は彼女の出番が少なく、ちと残念でした。