「ココ・アヴァン・シャネル」

小柄なオドレイ・トトゥは、よく役づくりをしていたと思うし、彼女が関係を持つ二人の男性を演じた俳優も、それぞれに魅力的。ただ、「シャネルがいかにして、世の風潮に逆行するような美意識を身につけたのか」とか、「彼女がいかにして、デザイナーとして成功するに至ったのか」がまったく描かれていないのには、肩すかしを食らった気分。男遍歴(といっても二人しかいないんだけど)より仕事遍歴を知りたかったなあ。若い頃と現在の差が髪型ぐらいしかない(しかも、若い頃は髪をアップにしているので、ばっさり切った後もあんまり見かけが変わらないのよね)ので、最後のファッションショーに至るまでの時間の経過がよく分からなかった。もっとも最後のシーンは、鏡を多用した見せ方といい、シャネルの服が次々と出てくるところといい、なかなかに圧巻だったけどね。
(映画館にて鑑賞)