「私の中のあなた」

前半、家族それぞれの視点で物語が描かれているので、おのおのの心情や、家族の歩んできた道のりがとてもよく分かった。必要以上に湿っぽくならず、音楽も軽快。最初と最後、アナのモノローグできりりと引き締められているところも良かった。アビゲイル・ブレスリンは「リトル・ミス・サンシャイン」の娘だよね、きれいになったなあ。キャメロン・ディアスも良かったし、弁護士や判事も存在感があって良かった。ソフィア・ヴァジリーヴァは、ちょっとぽっちゃりめだったけど、スキンヘッドで頑張ったね。
(映画館にて鑑賞 今年の60本目)
以下、内容に触れているのでたたみます。
終盤、アナが親を訴えた本当の理由が明らかになり、きょうだい三人が抱き合っているシーンを見て、「あなたが一所懸命やってきたことは、決して間違ってはいなかったよ。ほら、あなたの子どもたちはこんなにも立派に育っているじゃない」と、サラ(お母さん)に云ってあげたい気持ちでいっぱいになった。法廷でサラがアナに「あなたはなにか隠し事をしている」ときっぱり云い切ったとき、彼女は決してアナを単なるケイトのドナーではなく、ちゃんと娘として見ていたことがはっきりと分かる。そこもよかったな。
それから、目立ちはしないが、家族を静かに見つめるお父さん。パーティーに出かける前の着飾った娘の姿を、感無量といった表情で見つめるシーンがとても印象に残った。