刑事コロンボ「闘牛士の栄光」

これは傑作でしょう! でも巷の感想を見て回ったら評価がイマイチで、しょんぼり。犯人はもちろん最初に分かってる、手口も分かってる、しかし動機が分からない。なぜ?と思ったら‥なるほど「名誉原題honor」ですか。合理的なアメリカ人より、精神論を重んじる日本人にこそ理解しやすい話だと思ったけど、最近の人は違うのかなあ(まあ、息子の危機を全く救えなかった主人の失態を周囲に云いふらすことなく、黙って去っていこうとしているエクトール。その彼をあっさり殺しちゃったんだから、ヒドいと云えばヒドいんですが)。
なにがすごいって、冒頭、入院中の彼の記憶の断片が、実は事件のすべてを語っていたこと。そしてラスト、多くの人(愛娘さえも!)の目前で醜態を晒してしまったことによって犯人が陥落する、科学的証拠よりも重んじるのはやはり「名誉」。ドラマの中で終始一貫していて、見ごたえある一編でした。
スペインという異国でのコロンボのドタバタも面白かった。ちらっと出てきた話は「歌声の消えた海」だよね(^^)。