『球体の蛇』

020 道尾秀介『球体の蛇』(角川書店
個々のパーツが重いわりには、物語があっさり簡単に進んでしまう感じがして、うーん‥と思いながら読んでいた、途中までは。でも、最後まで読んで、なるほどと認識を新たにした。誤解や思い込みが招く悲劇、というのは、過去の道尾作品にもよく見られた展開だが、それをさらに押し進めた形がここにある。