「マイ・ブラザー」

トビー・マグワイア、ジェイク・ジレンホール、ナタリー・ポートマン。三人の演技は実に見応えがあった。複雑な思いの長女ちゃんも可愛かったなあ。ところで祖父自慢の息子である兄、はみ出し者の弟、兄の彼女。この構図は「エデンの東」と同じだね。(以下、結末に触れるので背景色で→ラストの兄のセリフ(僕はこれから生きていけるのだろうか、みたいな)がこの映画の主題、だったのかな。兄の告白を聞いた妻が動揺しなかったのは、漠然とそのことを予想していたからなんだろうか。戦地の描き方はあまりに一方的悪過ぎるきらいもあったが、尺的に深く描くのは無理だし、処刑シーンをネットに流すのは実際やられていることだし、まあ仕方ないか。あのビデオカメラ、壊れたように見えたけど、実は映像は生きてたりして‥。一番ぞっとしたのは、兄の葬式で流れる賛美歌。「国のために働く兵士を、神よ護りたまえ」と全員で唱和するのだ。だって死んじゃったんだよ、神様ぜんぜん護ってくれてないじゃん! 私だったらとても歌えないなあ。妹ばかり可愛がられると拗ねる長女にトミー叔父さんが「自分を好きになることだよ」と云ってあげるシーンは、一番好き。
ジム・シェリダン監督は「マイ・レフトフット」の人なのか。こちらも観てみたいぞ。
(映画館にて鑑賞 026)