『七人の敵がいる』

034 加納朋子『七人の敵がいる』(集英社
子どもが三人いる私は、今勘定してみたら、PTA活動には八年間(!)携わった(この先まだ増えるかも)。子供会の会長もやった。合間に自治会の班長もやった。うーむ、けっこう頑張ってんじゃん自分。
というわけで、PTAの “ 組織が贅肉で肥え太っている状態 ” というのはとてもよく分かる。が、「どうせ子どもが在学している間だけのことだし、わざわざ変えなくても現状維持でいいじゃん」という事なかれ主義もよく分かる。
PTA活動だけでなく、学童保育の父母会やスポーツ少年団や、ちょっと盛り込みすぎの感が無くもなかったが、後半、主人公の過去が明らかになる(だから子どもの名前が‥なるほど)あたりからぐっと密度が上がり、先生を糾弾するくだりはキャラがぴたりとハマって胸がすっとした。
この小説を読んで貫井さん(=著者のご主人)がどういう感想を持ったのか、知りたいなあ(笑)。