「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」

淡々と、ドキュメンタリーのよう。原作に惚れ込んで、生前の鴨ちゃんにも実際に会ったという、そういう人が監督でよかったね、鴨ちゃん
以下、感想を箇条書きで。
・昔、サイバラ本の出版記念サイン会だかトークショーだか(鴨ちゃんも参加)のレポを読んだときのこと。サイバラさんが描いた初期の鴨ちゃんは、法衣着て、いがぐり頭で、ニコニコしてて。なのにレポの中の鴨ちゃんの物云いは、けっこう容赦なくストレート。「意外にご本人は怖い人なのかな」と思った覚えがあります。それからどんどん、サイバラさんの描く鴨ちゃんは、全裸で色も緑とか紫の人間離れしたものになっていって。今思えば、アルコール中毒で大変な時期だったんだろうね。でも、現実では怒り散らしてた鴨ちゃんを、漫画の上ではギャグに昇華して描いてたサイバラは、えらいよなあ。
・現実と妄想がごっちゃになったり、突然ブチ切れて暴れて本人それをちっとも覚えてなかったり。そのあたり映画でも、過剰になることなく上手く描かれていました。
浅野忠信、ガンを患ってるようには見えない、たくましい筋肉(笑)。
・子役、かわいい〜。でもちょっとイイ子すぎ?(特にお兄ちゃん)
・わ、サイバラさん本人がこんなところに出演。今回はセリフはないのね。
・アルコール病棟の患者さんたち、助演でキラリと光る存在感を示すような、味のある役者さんがいっぱいで、楽しかったです。
・先生役の利重剛、高田聖子の演技がすごく自然で素晴らしかったー。
・元妻が医者と話をしていて突然、「悲しみって‥」とか、抽象的なことを話し出す。あのあたりは脚本、もうちょっとどうにかならなかったのかなあ。
・最後の清志郎の歌にも泣けました。彼もガンで逝っちゃったんだよね。
・「え、説教とか、ないの?」のシーンがすごく好き。香山美子は、一度だけ見たことのある本物の鴨母に、雰囲気がとても良く似ていました。永作博美はいくつになってもかわいいなあ。
・無性にカレーが食べたくなるよね(笑)。
(映画館にて鑑賞 001)