『残穢』

小野不由美残穢』(新潮文庫
“ぶらんこ”“金襴の帯”のイメージが強烈。時代を遡るにつれ、さらなる穢れが明らかになり、非のある者に「祟る」ならともかく、非のない者が触れるだけで伝染する、のあたりでひたひた広がってきた恐怖は最高潮に達する。のだが、それが一点に収束する物語ではないので、はてこれを映画化って、どうやってエンタテインメントに仕立てたのかしらん、興味津々。
読了して一番心に残ったのが、首にコルセット付けた状態で九州の怪しい家まで出かけちゃう「私」の凄さ(笑、そう云えば久保さんの畳の部屋でもしっかり寝てたなあ、この方)。小野さん、快復されて本当に良かった。