『花まんま』

059(小説) 朱川湊人『花まんま』(文藝春秋
涙がせり上がってくるもの、じっとりと重いもの、短篇それぞれに異なるカラーがあるものの、共通してどこかしら懐かしさを感じさせるのがこの著者の特長。お気に入りは「トカビの夜」「摩訶不思議」。朱川さんの紡ぎ出す日本語はとてもまろやかで美しいので、直木賞選評ではそのあたりにも触れられていると嬉しいな。
   (文庫)