『他人事』

031(小説) 平山夢明『他人事』(集英社
こういう展開になったらイヤだなー、と思うまさにその方向へ行ってしまう物語の容赦のなさ。いつも通りのグロでんでろりん(笑)だが、14編もあるのにどれひとつ似ていない独立した世界なのが凄い。表題作の最後の一行では、思わず泣きそうになったよ。不条理の間に垣間見える友情や愛情も読ませるんだよなあ。素晴らしい。