「おろち」

原作は既読。といっても読んだのがかなり前だったので、映画を観終わった後にもう一度読み返しました。「姉妹」を映画化したのかと思ってたけど、そうか、「血」と合わせたのね。
たしかに原作はこういう話なんだけど、二つの話を無理にひとつにまとめるよりは、別々のエピソードとして、おろちをいろんな人々の人生に絡ませる形で描いてほしかったなあ、と思うくらいに谷村美月のおろちが私のイメージにぴったり。これで終わらせるのはもったいない。
ホラーを期待すると肩透かしかも。もともと原作が、怖がらせるためのホラーじゃなく、人間が誰でも持っている羨みとか妬みとかを肥大させて描いた、すごく普遍的な物語なので。
洋館の外観と庭は鎌倉の旧華頂宮邸ですね。福島の天鏡閣もエンドロールで名前が上がってたけど、どのあたりが使われたんだろう。広いエントランスホールと階段は、どこかの洋館か、それともセットを組んだのか。音楽も良かったです。
(映画館にて鑑賞)