「ジェネラル・ルージュの凱旋」

原作は未読(これから読みます)。
前作同様、告発文を書いたのは救急外来のメンバーの中の誰なのか?という犯人探しが始まるのかと思いきや、それは「え?そういう真相だったの」というところに落ち着いてしまう。メーカーさんの墜落死が起こるものの、速水を交えた倫理委員会に突入し警察の介入はほとんど描かれない。その倫理委員会は、無駄に広い、人と人との距離がめちゃ離れた空間で行なわれるので、いまいち緊迫感に欠ける。高島政伸演ずる精神科医はあまりに悪役然として面白味がないし、ロジカルモンスター白鳥は怪我のため動き回れないし‥とまあ、前半はどうにもテンポに乗り切れなかったのだが、後半、ショッピングモール火災の救急救命活動に突入すると、俄然スクリーンが引き締まる。あれだけの大人数が右往左往する現場をカメラは見事にまとめ、主要キャラたちの活躍もそれぞれにあり、「ジェネラル・ルージュ」の名前の由来にもおおっとなり、とにかく感動した。
ミステリ的には、ものすごく驚愕というほどではなかった(チュッパチャプスも分かったし)が、大学病院の抱える問題点をきちんと描き、それぞれのキャラもしっかり立っていて、良かった。堺雅人の切れそうに鋭い目つきをまたスクリーンで観られたのも、良かったなあ。
(映画館にて鑑賞)